CONVEX and CLOSED

2020/09/10 形状の例を更新

TRNSYS/Type56には計算のモードがいくつかあります。StandardからDetailedまで何段階かの設定が可能です。StandardモードからDetailedまで日射の扱いが詳細になって行きますが、Standardモード以外では前提条件としてZoneの形状はConvex、かつCloseでなければいけません。

CONVEX

直訳すれば凸型です。凸型というと下図のような形状であれば良さそうですが、実際作るとエラーになります。

Convexに見えるけどNGな形状
Convexに見えるけどNGな形状

これは計算上、同じZone内ではすべての面がお互いに見通せる形状になっている必要があるためです。

室内側でサーフェースがお互いに見通せる形状

Convexは凸型というより、直方体や多角柱のような形状です。

逆に下図の赤い部分のように互いに見通せない面があるとエラーになります。

サーフェースがお互いに見通せない形状

しかし、現実問題としては部屋の形状って凸型以外もありえますよね?


例えば、LDとKのこんなレイアウトってありがちです。

上述したようにこの形状ではエラーになってしまいます。なにか対策ないかと、もしかして1つのZoneでもAirnodeで分ければOKだったりとしてと、淡い期待を抱いて試してみました。結果からというと、やはりエラーになります。

ドキュメントには放射の計算はZone単位で扱われると明記してあるので、やはりZone単位でしっかり判定しているようです。(まあ、考えてみれば同じ室内なんだから当然です)

Radiationモードを使用する場合は、モデリング段階で部屋を凸型に分けて作成する、もしくは凸型になるようにデフォルメしておく必要がありそうです。上記の例だとK,LDをぞれぞれ矩形のZoneとして分けて作成するか、デフォルメしてLDKとして一つにまとめてモデリングします。

CLOSED

図形として閉じていない場合もNGなんですが、これは通常モデリングしている限り作られません。

意図的にCLOSEじゃない図形を作るというより、なんらかの事故でたまたま出来上がってしまうケースではないかと思います。

無理やり作るとこんなモデル(壁が一面抜けている)
無理やり作るとこんなモデル(壁が一面抜けている)
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