TRNSYS18 新機能概要(9)TRNSYSエンジン,レポート機能

TRNSYS18では、計算エンジンの部分も改良、新機能の追加が行われています。
今回追加された自動レポート機能は、計算に使ったコンポーネント設定や結果のサマリーを確認するのに役立ちそうです。

5.    TRNSYS エンジン

5.1.    日射補間処理の改良

今回のリリースでは日射の補間処理に2つの変更が行われています。1つめの変更点は、水平面天空日射と法線面直達日射が他の日射量の計算に使用されるようになりました。これにより、データファイルに正の値の水平面天空日射があるときは、TRNSYSによって計算される水平面天空日射が存在することが保証されます。

2つめの変更点は、1時間未満の日射量の計算に新しい方法が追加されています。この方法は、数学的モデルに対する日射の物理的形状形成を避けます。

この方法では、その時間の開始点(前の時間の終点または日の出の0)と予定時刻の日射から時刻ごとの日射量の終点を推定します。終点は、日没時に強制的にゼロになります。
気象データファイルからの時刻と、そのタイムステップの総日射量の開始点と終了点を取得することで、時刻の中間点の値を知ることができます。
日射は、開始点から中間点、中間点から終点まで直線的に変化することが想定されます。この方法では、気象データファイルからの時間単位の日射量の合計が保持され、また、負の値は避けられ、以下に示すように日射の滑らかな曲線が作成されます。

日射量の計算
日射量の計算

5.2.    湿り空気線図状態計算方法の更新

ASHRAEでは長年に渡って、より正確な測定値を利用しHandbook of Fundamentalsの湿り空気線図ルーチンを更新しています。

TRNSYS18では、湿り空気線図の計算処理を再検討し、最新のASHRAEアルゴリズムへ変更を行いました。

5.3.    自動レポート生成機能

TRNSYS 18では、有用なデフォルトレポートを作成するシンプルで効率的な方法が導入されました。すべてのコンポーネントには、ユーザーにとって有用な標準データセットが定義されます。

例えば、太陽熱集熱器(Type1)がプロジェクトで使用されている場合、ユーザーは、コンポーネントの設定の概要(集熱面積、集熱器の枚数など)、ならびにシミュレーションの対象期間の平均値、積算値や総エネルギー取得、出口温度の最大値に興味があるかもしれません。

ユーザーは、プロジェクト内の対応するコンポーネントを選択し、以下に示すように「レポート」アイコンをアクティブにするだけで、このデータを標準シミュレーションレポート(*.ssr)へ出力することができます。

レポートアイコン
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