Dead Bandってなに?

TRNSYSには制御系として一連のコンポーネントが用意されています。

制御系のコンポーネント
制御系のコンポーネント

が、しかし、実のところ制御の話って用語の意味がよくわからない。(制御とか完全に門外漢なんですよ)

設定項目にDead Band、とかTemperature Dead Bandって用語があちこちで使われているのですが、日本語だとなんというのか分からない。

調べてみるとDead Bandは、日本語では「不感帯」とか「調節感度」と呼ばれるもののようです。(アズワンさんのサイトの説明が簡潔で分かりやすい)

Type166 Simple Thermostatで確認する

このDead Bandがどのように働くのか、TRNSYS18から新しく追加されたコンポーネント、Type166を使って確認します。このコンポーネントは暖房設定温度、冷房設定温度の両方が設定できる便利なコンポーネントです。試しに用意したのは図のような、ごくごくシンプルなプロジェクト。

Type166 Simple Thermostat
Type166 Simple Thermostat

Parameters/Temperature dead bandはデフォルトの2.0℃Inputs/Heating setpoint,Cooling setpointもデフォルトで、それぞれ20℃,24℃のままにしてあります。

Type166 Parameters
Type166 Parameters
Type166 Inputs
Type166 Inputs

テスト用の気温の値が要るので、これはEquationで16℃~28℃範囲で変化するシンプルな値(サインカーブ)を生成して代用します。ちなみに、こんな感じ。

angle=mod(time,360)
val = sin(angle)*6+22 !22℃±6℃のサインカーブ

この値を使ってType166の動きを見ると、図のよう温度によってCooling/Heating signalの値が変化して出力されます。

Cooling, Heatingの制御信号
Cooling, Heatingの制御信号

ちょっと分かりにくいのでCooling Signalの部分を拡大すると、Cooling Setpoint(24℃)を中心にTemperature Dead Band(2℃)なので、気温25℃でOn、その後23℃に下がるとOffの動きになります。(実際に計算する場合は、このOn/Offでエアコンを制御することになるので、室温はこの幅でハンチングすることになります)

Cooging Signal
Cooging Signal

ハンチングの例

図はType166で暖房の制御をしているサンプル(”C:\TRNSYS18\Examples\HVACTemplates\System1.tpf”)の室温の出力を取りだした例です。いわゆるヒステリシス制御っていうものだと思いますが、Heating SetpointとDead Bandの範囲でキレイに制御されている様子が分かります。

Type166で暖房の制御
Type166で暖房の制御

他にも制御系のコンポーネントはありますが、単純なOn/Off制御はこんな感じで処理する事ができます。

動作環境

以下の環境で動作を確認しています。

Windows10 Pro(64bit)
TRNSYS18.00.0016(64bit)

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