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2011/11/29

TRNSYS使いへの道 エラー対策その2 TRNBuild編

前回TRNSYS/Simulation Studioのエラー対策を書いてから、ずいぶんと間が空いてますが、続編です。今回はTRNBuild編です。

TRNSYSではTRNBuildで建物のモデルを作成します。このツールで入力中にエラーが発生することは稀です。(というか、普通は発生しないです。)

エラーが発生するのはファイルの保存時になります。
良くお目にかかるのが以下のようなエラーメッセージのダイアログ。


Error creating the wall transfer function coefficients:
Unable to find a root after indication that a root exits.
Maybe the timebase is too small.
Please, check the INF-file for further information.


慣れないと、ちょっとビビります。なんせ英語だし。

TRNBuildはファイルの保存と同時に裏でTRNSYSの計算に必要なファイルを作成しています。そのファイルを生成する際に、入力されたデータに問題があるとファイル生成でエラーとして報告されます。


もちょっと具体的には伝達関数(レスポンスファクタ)を計算する際,応答係数が上手く計算できないためエラーを生じます。
これは熱伝導率が高く厚みが薄い材料では材料内を伝わる熱移動が非常に早すぎて,熱移動の時間遅れを表す応答係数を計算出来ないためのようです。

ありがちなのは折板屋根のように非常に薄い金属が含まれているケースです。こういう場合、熱容量を気にしなくて良いように熱抵抗(Massless layer)として入力すると計算できるようになります。

とは、いえWALLを一気に登録してしまうと、いったいどのWALLが原因なのか特定するのが難しくなります。

2012/9/18追記
TRNSYS17.1ではエラーメッセージと一緒に、原因になっているWall Typeの名前が表示されるようになりました。
ということで、17.1を使っている場合は以下は必要無いです。


そんな時に参考になるのが"INF-file"。
エラーメッセージ最後の行でも「Please, check the INF-file for further information.」とお願いされているので、エディタなどで開いてみます。編集中のBuiファイル(*.b17)と同じ名前で拡張子が*.infのファイルがそれです。

以下、ファイルの最後のところだけ抜粋したものです。ここにエラーメッセージの表示と同じものが書き出されています。



          ***** WALL TRANSFERFUNCTION CALCULATIONS *****


              ---------- WALL TYPE EXT_WALL            ----------

       THERMAL CONDUCTANCE, U=    44.29851 kJ/h m2K; U-Wert=     3.97983 W/m2K
              (incl. alpha_i=7.7 W/m^2 K and alpha_o=25 W/m^2 K)

                        TRANSFERFUNCTION COEFFICIENTS
   K            A              B              C              D

   0       9.5561828E+02    7.8164738E-02    5.4868756E+01    1.0000000E+00
   1      -1.6035231E+03    2.1907456E+00   -6.3497617E+01   -1.0921604E+00
   2       7.3084335E+02    2.9183426E+00    1.4814676E+01    2.2241025E-01
   3      -7.8305759E+01    3.9378281E-01   -6.0752051E-01   -4.1813636E-03
   4       9.5233107E-01    3.6991695E-03    6.4438896E-03    2.0465039E-06
   5      -3.4890872E-04    9.3794026E-07   -3.0118358E-06
  SUM      5.5847359E+00    5.5847359E+00    5.5847359E+00    1.2607052E-01

 UNABLE TO FIND A ROOT AFTER INDICATION THAT A ROOT EXISTED

 CHECK THE WALL TYPE AFTER THE LAST CALCULATED WALL
 OFTEN THE WALL CAPACITY IS TO SMALL TO CALCULATE A TRANSFER FUNCTION !

 CHECK ALSO YOUR TIMEBASE !



ここだけ見ると、どうもWALL TYPE EXT_WALLの計算でエラーが発生しているように見えます。このメッセージ紛らわしいんですが EXT_WALLまでは処理が終わってます。実は実際にエラーになっているのは、EXT_WALLの次のWALL TYPEなんです。←ここ大事。試験に出るよー。

じゃあ、どの材料が原因か確認するにはBuiファイル(*.b17)の方を調べる必要があります。
で、*.b17をエディタで開くと以下のような箇所が見つかります。


*-----------------------------------------
*  W a l l s
*----------------------------------------
WALL BND_WALL
 LAYERS   = PLASTERBOA FBRGLS_ASHRAE PLASTERBOA
 THICKNESS= 0.012      0.066         0.012    
 ABS-FRONT= 0.6   : ABS-BACK= 0.6
 EPS-FRONT= 0.9   : EPS-BACK= 0.9
 HFRONT   = 11 : HBACK= 11
WALL EXT_WALL  ←.INFで最後に書き出されていたWALL TYPE。これが原因に一見見える。
 LAYERS   = WD_SIDN_ASHRA 鋼材
 THICKNESS= 0.009         0.9
 ABS-FRONT= 0.6   : ABS-BACK= 0.6
 EPS-FRONT= 0.9   : EPS-BACK= 0.9
 HFRONT   = 11 : HBACK= 64
WALL EXT_ROOF  ←でもホントの原因は、こっちのWALL TYPE。
 LAYERS   = 鋼材  ←そしてこれが、そもそもの原因と思われる材料。
 THICKNESS= 0.001
 ABS-FRONT= 0.6   : ABS-BACK= 0.6
 EPS-FRONT= 0.9   : EPS-BACK= 0.9
 HFRONT   = 11 : HBACK= 64
WALL EXT_FLOOR
 LAYERS   = TMBR_FLR_ASHR INS_FLR_ASH
 THICKNESS= 0.03          0        
 ABS-FRONT= 0.6   : ABS-BACK= 0.6
 EPS-FRONT= 0.9   : EPS-BACK= 0.9
 HFRONT   = 11 : HBACK= 11



これで原因が特定できたので、あとはその部分をTRNBuildでMassless layerで差し替えてあげればOKです。

ちなみに、上記のように.INFファイルに手掛かりになるWALL TYPEが書き出されていないケースもあります。その場合は、WALL TYPEの最初でエラーになっています。つまり上の例だとBND_WALLに問題があるということですね。

てな、感じでエラーも理由が分かれば怖いことなし。がんばって建物を入力しましょう。





2011/11/24

欧米人は寒さにつよい?

寒いですね。そろそろコート買わなきゃと思っている今日この頃です。
寒風吹きすさぶなか、打ち合せに出たらTシャツに短パンの外国人に遭遇する。耳にはヘッドフォンだ。見るからに寒そうである。でも本人は音楽聴いててご機嫌さんだ。枯葉の舞う北風の中、寒くはないらしい。
翌日早朝、屋外のテーブルでワインを酌み交わす外国人2人組みに遭遇する。ボジョレーヌーボー?ってか寒くないのか?でも酔払ってご機嫌さんだ。底冷えする朝も寒くはないらしい。
欧米人って寒さに強いのな。体感温度って何だろう、って疑問の湧いた朝であつた。




2011/11/15

TRNSYSの紹介など

建物エネルギーシミュレーション勉強会(東京大学、今野先生)でTRNSYSの紹介の時間をいただきました。

TRNSYSの機能紹介など予定しています。

ESP-r、EnergyPlusの事例紹介もあるので、建物のシミュレーションにご興味のある方には、ちょっとお得な内容です。

2011/11/17(木)13:30からUstreamで配信の予定です。
配信はこちらから→http://www.ustream.tv/channel/opencae


2011/11/08

Radianceの入門書あったら欲しい?

このブログを2009年6月に解説して以来、2年ちょっと。なにげなくログの解析してみたら、top5にRadianceネタが3件もランクイン。

んんんんんん。。。。。

ネタ的にそれほど取り上げたつもり無かったので、かなり意外な結果。というかショックです。他にもいろいろシミュレーションのネタを書いてるのにだ。。。
それほどアクセス数があるブログでもないんですが、Radianceって、やっぱりユーザーの裾野が広いってことですかね?
もしかしてRadianceの入門書とか書いたら、そこそこ需要があるんだろうか?



2011/11/07

TRNSYSのコンポーネントの機能をまとめて調べる



しばらく前に「TRNSYSのコンポーネントの機能を調べる」っていうエントリーを書いたんですが、それの続きです。
これ書いている時に気づかなかった(というかドキュメントのどこにも書いてない気がする)機能で、複数のコンポーネントのドキュメントをまとめてHTML形式で書き出す方法です。

まず、Simulation Studioを起動したら、なにもプロジェクトが開かれていない状態でメニューから[File]-[Generate documentation...]を選択します。

すると書き出すProformaのフォルダのパスの入力画面が表示されるので、Proformasのフォルダ(通常は"C:\TRNSYS17\Studio\Proformas"が正しく選択されているか確認してOKボタンをクリックします。

すると、すごく似たような画面が再度表示されます。ここではドキュメントの書き出し先のフォルダを指定します。既定ではTRNSYS17のフォルダが選ばれれています。ここで問題なければOKボタンをクリックします。 

PCの性能やコンポーネントの構成にもよりますが2,3分待っていると以下のような画面が表示されます。ここでOKボタンを押したら終了です。


ブラウザが起動して、フォルダ分けした状態でコンポーネントの一覧が表示されます。Direct Access Toolbarと同じようにフォルダを開いていくと、最終的にコンポーネントの説明画面が表示されます。
※ただし、これInternet Explorer限定です。FirefoxとかChromeじゃフォルダクリックしても動かないです。シンプルなHTML形式の画面が表示されます。




この例では、まとめて書き出してしまってますが、フォルダ単位で書き出しできますので必要なコンポーネントだけ書き出すこともできます。例えば、HVAC関係のコンポーネントを書き出したいときは、書出しの際にHVACフォルダだけを選んで書き出すこができます。




2011/11/01

TRNSYS3Dを使ってみる、その4(Zoneを作成する)

TRNSYS3Dってドキュメントを読んでもZoneを一つ作るのも最初は結構大変です。慣れりゃなんてことない作業なんですけどね。
そんなわけで復習を兼ねてビデオを作ってみました。

制作時間2.5時間。結構手間がかかります。動画は一発撮りなので2,3回やり直しても15分ぐらい。そのあとアノテーション(吹き出し)を付けるのに2時間以上かかりました。
ちょっと手間なので、続きをどうしようかと考え中。。。
だれかボランティアで手伝ってくれないかな?

と、ここまで来て、ふとYouTubeで"TRNSYS3D"で検索したら、TRNSYS3Dのデモビデオがすでにあるじゃないですか!

aiguasol社のデモビデオ(たぶんスペイン語)

だれか、スペイン語分かる人、字幕付けてプリーズ。


関連リンク