TRNSYS,TypeStudioのテキストを公開しました。

TypeStudioで作るTRNSYSコンポーネント(1)~(4)をまとめたテキストを公開しました。

元記事に加筆修正、画像の調整などを行ってテキスト形式にまとめています。

GitHub/TRNSYS.JP(以下のリンク先)でView Rowをクリックするとダウンロードできます。

https://github.com/TRNSYSJP/TRNSYS.JP/blob/master/Docs/TRNSYS18%20-%20TypeStudio%E3%81%A7%E4%BD%9C%E3%82%8BTRNSYS%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%83%B3%E3%83%88.docx

image


元記事はこちら。

TypeStudioで作るTRNSYSコンポーネント(1)

TypeStudioで作るTRNSYSコンポーネント(2) 

TypeStudioで作るTRNSYSコンポーネント(3)

TypeStudioで作るTRNSYSコンポーネント(4)

TypeStudioで作るTRNSYSコンポーネント(4)

前回ビルドしたコンポーネントを動かしてみます。

プロジェクトを用意する

テスト用になにかプロジェクトを用意します。

今回はExamplesからBegin.tpf(”C:TRNSYS18\Examples\BeginBegin.tpf”)を使ってテスト用のプロジェクトを作成します。

Bgin.tpfを元にテスト用のプロジェクトを作成する
Bgin.tpfを元にテスト用のプロジェクトを作成する

すこしコンポーネントを整理して、前回作成したコンポーネント(Type201Heater)を図のように配置して接続します。

テスト用のプロジェクト
Type201Heaterを配置したテスト用のプロジェクト

Type138は今回作成したヒーターと同じ計算を行っています。計算結果の比較のため、Type138からRequired Energy Inputの値をType65へ出力します。

Type139,Type65の接続
Type139,Type65の接続

Type201Heaterの接続

Inputは集熱パネルから出口温度(Outlet temperature)、流量(Outlet flowrate)の値をそれぞれ対応するTin,mへ接続します

Type1、Type201の接続
Type1、Type201の接続

そしてOutputはType65へ負荷(Q)を接続しておきます。

Type201,Type65の接続
Type201,Type65の接続

最後に、配置されているType138の設定温度(Setpoint temperature)に合せて、Type201Heaterの設定温度(Tset)を60℃へ変更します。

Tsetを60に設定する
Tsetを60に設定する

そして結果がこちら。

計算結果を表示したType65の画面
計算結果

Type138とType201の結果がまったく同じになるため、グラフがぴったりと重なって描かれています。少々分かりにくい画面になってしまいましたが、正しく動作しているようです。(注:画面はType65/Prameters/Left axis maximumを10000へ変更しています)

計算結果の検証

今回は同じ計算を行うコンポーネントがあったので、簡単に比較検証できました。普通は存在しないのでなんらかの方法で結果を検証する必要があります。

ここでは関連するデータを書き出してExcelで検証する方法をご紹介します。まずは検証用のデータを書き出すためType25を配置して、図のように接続します。

Type25を追加
Type25を追加

コンポーネントが計算に使用するためInputsで受け取っているパネルの出口温度、流量、それとコンポーネントの計算結果をType25で出力します。ちなみに接続は図のような感じで。。。

Type1,Type25の接続
Type1,Type25の接続
Type201,Type25の接続
Type201,Type25の接続

書き出された値を使ってExcelで計算して同じ結果になるか比較、検証します。図のようにコンポーネントが行っているのと同じ計算式をセルに入力します。

Excelに式を設定する
Type201と同じ式をExcelで設定する

注:上の図では、なぜか0hourのQの値が変な値になっていますが、これは出力値の初期化に由来します。理由と対策は後述します。そして、QExcelで計算した値を比べてみると、同じ値になっている事が確認できます。

Type201とExcelで計算結果の比較
Type201とExcelで計算結果の比較

Outputの初期化(おまけ)

さて、0hourでおかしな値が出力されていた件ですが、これはOutputの初期化が原因です。コンポーネントのソースコードを再確認すると Output の初期化を行っている箇所があります。(下図の赤枠の関数)

Outputの初期化
Outputの初期化

ここで、Outputの1番目、つまりQの値を”0”に初期化しています。計算の開始時点なので、”0”で問題なさそうですが、この書き方はFORTRANでは整数値として扱われます。

やや専門的な話になりますが、この関数では実数値で値を受ける取る事を期待しています。ここで整数値から実数値へのキャスト(変換)で微少な誤差が発生しているようです。

さきほどの図では見切れていてますが、値は “+4.2439915819305446-314″(指数表記)で書き出されています。実質は限りなく”0″なので実用上は問題ありませんが、計算上はこういうケースが発生します。

対策はごくごくシンプルで”0“から”0.0“へ書き換え、実数としてFORTRANが認識できるようにすれば解決です。

実数0.0で初期化する

動作環境

以下の環境で動作を確認しています。
Windows10 Pro(64bit, 1803)
TRNSYS18.00.0019(64bit)

関連

TypeStudioで作るTRNSYSコンポーネント(1)
TypeStudioで作るTRNSYSコンポーネント(2)
TypeStudioで作るTRNSYSコンポーネント(3)
TypeStudioで作るTRNSYSコンポーネント(4)

TypeStudioで作るTRNSYSコンポーネント(3)

前回はProformaを作成して配置まで行いました。今回は、いよいよ計算部分を作り込みます。シリーズ3回目にしてようやくTypeStudioの登場です。

ソースコードのエクスポートと編集

前回作成したProformaからソースコードの雛形をエクスポートします。
はじめに、Simulation Studioを起動して、Proformaを開きます。(”C:TRNSYS18\Studio\Proformas\MyComponents\Type201Heater.tmf”)

次にメニューから [File]-[Export as]-[Fortran] を選んでソースコードをエクスポートします。この機能ではProformaの情報を使って、ソースコードの雛形の書き出しを行います。

TypeStudioでFORTRANを選んでソースコードをエクスポートする
FORTRANを選んでソースコードをエクスポートする

① エクスポート先のフォルダとして”C:TRNSYS18\MyTypes“を選択。
② ファイル名、”Type201Heater.f90“を指定。
③ 「保存」ボタンをクリックします。

MyTypesフォルダへソースコードをエクスポート
MyTypesフォルダへソースコードをエクスポート

エクスポートが終わるとTypeStudioで編集を促す、図のようなメッセージが表示されます。

エクスポート終了のメッセージ
エクスポート終了のメッセージ

TypeStudioの起動とソースコードのインポート

スタートメニューからTypeStudioを起動して、エクスポートしたソースコードを読み込みます。TypeStudioのメニューから[Workspace]-[Add Source Files]を選択して、

TypeStudioでエクスポートしたソースコードを読み込む
TypeStudioでエクスポートしたソースコードを読み込む

① 先ほど保存したフォルダ “C:TRNSYS18\MyTypes“を選び、
② “Type201Heater.f90“を選択して
③ 「開く」ボタンのクリックしてソースコードを読み込みます。

TypeStudioでソースコードを選択する
ソースコードを選択する

下の図のような表示になっていれば準備完了です。

TypeStudioにソースコードが読み込まれた状態
ソースコードが読み込まれた状態

ソースコードの確認

ソースコードの中身を確認すると、61行目から67行目にProformaのParameters,Inputsの値に相当する変数が宣言されている事が確認できます。

Proformaで定義したParameter,Inputに対応する変数
Proformaで定義したParameter,Inputに対応する変数

ソースコードの実装

さて、次は雛形のソースコードへ計算処理や出力を実装します。

変数の追加

前回用意した式の”Q“に対応する変数を追加します。

image

図の赤枠のようにParameters,Inputsの変数宣言の後へ変数”Q“を追加します。

Output用に変数を追加する
Output用に変数を追加する

計算処理の追加

コンポーネントのソースコードでは処理を追加する位置が決められています。ソースコードのコメントで”PERFORM ALL THE CALCULATION HERE FOR THIS MODEL. “と書かれた位置に処理を追加します。

この例では180行付近にコメントがあるので、前回準備した計算式に沿って、図のように処理を追加してください。

計算式を追加する
計算式を追加する
出力処理の追加

最後に、計算した値をOutputsへ出力処理を追加します。これも追加する位置が決まっています。ソースコードのコメント”Set the Outputs from this Model (#,Value)“を探して、その後に出力処理を記述します。

この例では214行目付近にコメントが見つかります。すでに出力処理の雛形が用意されているので、出力する値の部分のみを図のように書き換えます。

計算結果をOutputへ出力する
計算結果をOutputへ出力する

コンポーネントのビルド

ソースコード修正が終わったら、いよいよビルドです。(ソースコードからコンポーネントの実体を生成します)メニューから[Build]-[Compile Workspace]を選択します。

TypeStudioでコンポーネントをビルドする
コンポーネントをビルドする

図のように画面右上に緑色のメッセージが表示されればビルドは成功です。もし違うメッセージが表示されていたら、どこかに間違いがあります。ソースコードを見直して再度ビルドを行ってください。

ビルド成功!
ビルド成功!

これでコンポーネントが利用できる状態です。ということで、次回は簡単なプロジェクトを用意して動作を確認してみます。つづく

動作環境

以下の環境で動作を確認しています。
Windows10 Pro(64bit, 1803)
TRNSYS18.00.0019(64bit)

関連

TypeStudioで作るTRNSYSコンポーネント(1)
TypeStudioで作るTRNSYSコンポーネント(2)
TypeStudioで作るTRNSYSコンポーネント(3)
TypeStudioで作るTRNSYSコンポーネント(4)

TypeStudioで作るTRNSYSコンポーネント(2)

Proforma(プロフォルマ)の作成

さて、まずはじめにコンポーネントを作成する前にProformaを用意します。普段はあまり意識しないProformaですが、Simulation Studioでコンポーネントとして見ているアイコンの実体がProformaです。

Simulation Studioにアイコンとして表示されるProforma
Simulation Studioにアイコンとして表示されるProforma

そもそもProformaって何?

Simulation Studioでコンポーネントの設定で使う図のような画面(Variables Window)が表示されますが、この画面に表示される内容を定義しているのがProformaファイル(拡張子.TMF)です。

Type65のVariable Window
Type65のVariable Window

TRNSYSのコンポーネントの実体はFORTRANのサブルーチン(C言語だと関数)に相当します。ProformaはSimulation Studioの画面とサブルーチンのデータ(Parameters,Inputs,Outputs)の橋渡しルールを定義しています。

計算算式の準備

まずは、これから作成するコンポーネントの式を用意します。今回はドキュメントに載っているシンプルなヒーターの式を例にProformaを作成します。

簡単なヒーターの計算式
簡単なヒーターの計算式

Tset  設定温度
Tin    入口温度
m      流量
Cp     比熱
Q      負荷

TRNSYS18, Vol.7 Developer’s / Programmer’s Guide,  p7-17, Eq.7.3.1-1 より

さて、この式を元にコンポーネントのProformaを作っていくわけですが、はじめにそれぞれの値をPrameter,Input,Outputに割り当てていきます。

Qは計算結果なのでOutputで問題なさそうです。m, Tset, Tinは時系列で変化する値としてInputに割り当てます。Cpは時系列で変化するならInputで、それほど影響がないようであれば固定値でParamterで扱います。今回はParameterで扱うことにします。

値の割り当てを整理すると次の表のようになります。

NameRoleDimensionUnitDef.
minputFlow Ratekg/hr100.0
TsetinputTemperatureC50.0
TininputTemperatureC20.0
CpparameterSpecific HeatkJ/kgK4.190
QoutputPowerkJ/hr0.0

※デフォルト値(Def.)はInputでは初期値として使われるので、それっぽい値に設定します。Cpはここでは水の比熱です。

Proformaを作成する

Simulation StudioでProformaを作成します。

① メニューから[File]-[New]を選択する。
② 表示されるウィンドウで「New Component」を選択して、
③ Createボタンをクリックする。

Simulation StudioでNew Componentをクリックする
Simulation StudioでNew Componentをクリック

Proformaのウィンドウが表示されるので、式に合せて設定を行います。はじめに「General」タブのType Numberの項目にType番号を指定します。ここでは201を指定してください。

Type番号の指定
Type番号の指定

次に、「Variable」タブで、「Variables(Parameters, Inputs, Outputs, Derivatives)」ボタンをクリックして、設定画面を表示します。

Inputの項目を追加します。「Inputs」タブを選んで、画面右のAddボタンをクリックして新しい項目を追加します。

Addボタンをクリックして、Inputを追加する
Addボタンをクリックして、Inputを追加する

先ほどの表に合せてInputsの項目を3つ追加、設定します。

Inputを3つ追加した状態

つづいて、同じように「Outputs」タブで項目を一つ追加、設定します。

Outputを追加
Outputを追加

そして最後に「Parameters」タブで項目を一つ追加、設定したらOKボタンをクリックしてウィンドウを閉じます。

Paramterを追加
Paramterを追加

メニューから[File]-[Save]を選択してProformaを保存します。
① 保存先として新しいフォルダ”C:TRNSYS18StudioProformasMyComponents “を作成します。
② ProformaをType201Heater.tmfという名前で保存します。

作成したProformaを保存する
作成したProformaを保存する

Simulation Studioのメニューから[Direct Access]-[Refresh tree]を選んで、ツールバーにType201Heaterが表示されればProformaの完成です。

新しく作成したProformaが表示される
新しく作成したProformaが表示される

この段階で、すでにコンポーネントとしてを配置、他のコンポーネントと接続できる状態です。ただし、実行してみると図のようなエラーになります。Proformaは出来上がったものの、まだコンポーネントの本体、つまり計算処理の部分は作成されていないためエラーになります。

コンポーネントが未実装なので、実行するとエラーが表示される
コンポーネントが未実装なので、実行するとエラーが表示される

次回は、計算処理の部分を作成します。つづく。

動作環境

以下の環境で動作を確認しています。
Windows10 Pro(64bit, 1803)
TRNSYS18.00.0019(64bit)

関連

TypeStudioで作るTRNSYSコンポーネント(1)
TypeStudioで作るTRNSYSコンポーネント(2)
TypeStudioで作るTRNSYSコンポーネント(3)
TypeStudioで作るTRNSYSコンポーネント(4)

TypeStudioで作るTRNSYSコンポーネント(1)

TRNSYSには標準的なコンポーネントが多数用意されています。基本的なシミュレーションはそれだけでも出来ますが、特殊な機器や、研究開発中の装置などを組み入れたい場合にはオリジナルのコンポーネントが必要になることがあります。

実は以前にもTRNSYSコンポーネントを作る例を紹介しているのですが。。。

作ってみようTRNSYSコンポーネント(1)~(6)

この例ではTRNSYSそのものの開発にも使われているIntel FORTRANを使用しています。Intel FORTRANは本格的なプログラミングが可能な非常に強力な開発ツールです。開発者向けに様々な機能が提供されていて細かな設定が可能です。でも逆にちょっとプログラムを書いて試してみたいという用途にはハードルが高い仕様になっています。(上記のリンク先にあるように、プログラマー向けのツールなので細かな設定が多くなっています)

TypeStudio登場!

TypeStudioのアイコン
TRNSYS専用コンパイラ、TypeStudio

TRNSYS18では、コンポーネントの開発用の専用ツール、TypeStudioがリリースされました。こちらはTRNSYS専用FORTRANコンパイラとエディタです。TRNSYSコンポーネントの開発に特化しているので、特に面倒な設定も不要で気軽にコンポーネントの開発を始めることができます。

TypeStudioでFORTRANのソースコード表示した例
TypeStudioの操作画面

とはいえ、何段階かの作業があるので、次のような順序で進めていきたいと思います。

  • Proformaの作成
  • ソースコードのエクスポートと編集
  • Simulation Studioで実行

てなわけで、つづく。

関連

TypeStudioで作るTRNSYSコンポーネント(1)
TypeStudioで作るTRNSYSコンポーネント(2)
TypeStudioで作るTRNSYSコンポーネント(3)
TypeStudioで作るTRNSYSコンポーネント(4)

TRNEdit,TRNSEDアプリケーションの資料を公開しました

前回、TRNEditの仕組みを紹介しましたが、その中からTRNSEDアプリケーションに関する資料をTRNSYS.JPリポジトリへ追加、公開しました。

リンク先からPDFをダウンロードできます。

・TRNSYS.JP/Docs/TRNEdit/
https://github.com/TRNSYSJP/TRNSYS.JP/tree/master/Docs/TRNEdit

資料はTRNSYS18のドキュメントの以下の部分を日本語に訳した内容です。

6.10 TRNSEDアプリケーションの作成

6.12.4.1. TRNSED/Create Distributable

英語版を機械翻訳して手を加えたので、日本語が多少ギクシャクしていますが、大筋の内容は分かると思います。

image

動作環境

以下の環境で動作を確認しています。
Windows10 Pro(64bit, 1803)
TRNSYS18.00.0019(64bit)

TRNEditのしくみ

TRNSYSには複数のアプリケーションが含まれています。代表的なのはSimulation Studio、それと建物モデルを扱うTRNBuildですが、他にも便利なアプリケーションが用意されています。

TRNEdit

TRNEditは.dckファイルの編集、計算実行、パラメトリック計算のツールです。これの使い方を憶えると、TRNSYSの計算、とくにパラメーターを変更しながらの繰り返し計算が簡単に行えるようになります。

ところで、.dckファイルって何でしょうか?Simulation Studioを使っているとあまり意識する事はありませんが、TRNSYSの計算用ファイルです。Simulation Studioで作成された計算のモデルから、計算エンジン(これがTRNSYSの本体)へ計算の指示をまとめたデータファイルです。

Simulation Studio.dckファイル、それとTRNEditの関係を大まかにまとめると、図のような関係になっています。

image

複雑そうに見えますがあ、一つ一つは単純な流れなので順番に見ていきましょう。

①Simulation Studioからの計算実行

普段Simulation Studioを使って行っている計算の流れです。表面的にはSimulation Studioが計算を行っているように見えますが、実は図の①(黄色い矢印)の流れで裏でTRNSYSへ.dckファイルの書き出した後、TRNSYSを起動して計算を行っています。

少々話が横道にそれますが、計算に使われる.dckファイルはSimulation Studioのメニューから、[Calculate]-[Create Input file], つづいて[Calculate]-[Open]-[Input]の順で選択すると内容を確認できます。

image

ご覧のようにテキストファイル形式のシンプルな構文です。これをメモ帳などで編集、もしくは作成して直接TRNSYSで計算を実行することも出来ます。Simulation Studioから計算を実行するたびにこのファイルが書き出されています。

②TRNEditからの計算実行

上述したようにTRNEditでは.dckファイルの編集と計算実行、それとパラメトリックな計算を実行することができます。下の図はTRNEditでSimulation Studioから出力された.dckファイルを開いた画面です。見た目がメモ帳みたいですが、操作もメモ帳とほとんど変りません。ParametersInputsの値を直接変更したり、パラメトリック機能を使って計算を繰り返す事ができます。

特に.dckファイルの構文に慣れている方には便利なツールです。Simulation Studioで設定を変更するよりも格段に早く処理できます。

image

③TRNSEDアプリケーションの作成

TRNEditにはもう一つ面白い機能が用意されています。TRNSYSの計算モデルからアプリケーション(TRNSEDアプリケーション)を作成することができます。

この機能は.dckファイルの仕組みを利用しているので、既存のプロジェクト(.tpf)を元に、簡単な構文でGUIを追加することが出来ます。

下図はサンプル(C:TRNSYS18ExamplesTRNSED)のTRNSEDアプリケーションの例です。この例ではドロップダウン形式のリストを追加してパラメータを選びやすくしています。

image

このように画面の作り込みが出来るため、特定のパラメータのみ変更して同じ計算を繰り返し行うようなケースに向いています。

このTRNSEDアプリケーションは、TRNSYSが無くても単独で実行できます。ライセンスの範囲内で配布も可能です。日頃頻繁に行うような計算やプロジェクトの終了後に成果物としてまとめたりといった用途に利用できます。

動作環境

以下の環境で動作を確認しています。
Windows10 Pro(64bit, 1803)
TRNSYS18.00.0019(64bit)

TRNSYSで風力発電のシミュレーション

風車メーカーの方から電話をいただいて、シミュレーションのご相談かと思ったら風力発電のセールでした。

ま、それはともかくTRNSYSには風力発電のサンプルがいくつか用意されています。

例えば、図のようなシミュレーションモデル。(C:TRNSYS18ExamplesStand-Alone Power SystemsWindDieselFuelCellElectrolyzerPV.tpf)

image

門外漢で実のところ詳細は分からないのですが、風力で発電した電力で水素を生成する計算のようです。TRNSYSってシステムシミュレーターなので、こういう計算も出来るんです。

詳しく知りたい方はドキュメント、「10.10. Wind Diesel PV with Battery Backup」で解説されています。

動作環境

以下の環境で動作を確認しています。
Windows10 Pro(64bit, 1803)
TRNSYS18.00.0019(64bit)

TRNSYSで昼光シミュレーション

TRNSYS18から昼光シミュレーション機能が追加されています。これ何かというと、室内の照度に合わせて照明負荷の調整を行ってくれます。例えば、オフィスなどでは日中は昼光を利用して照明を抑えたシミュレーションが行えます。つまり積極的に昼光を使った省エネの検討などが行えます。

この仕組みの解説資料を作り始めたんですが、設定項目が多いので、まずは概念図的なものを作ってみました。というか計算の仕組みがどうなっているかという図です。

image

上の図のように内部的にはDaySim(Radiance)を使った昼光シミュレーションと温熱のシミュレーションの連成を行っています。計算の流れをざっくり説明すると、

①温熱シミュレーションで内部発熱、日射遮蔽(ブラインド)の条件を設定する。

②日射遮蔽の条件に基づいて昼光シミュレーションで室内の照度を計算する。

③室内照度から、照明負荷を調整(On/Offとか調光)して温熱シミュレーションを行う。

そして再び①へ戻って計算を繰り返します。

設定としては照明負荷の設定、日射遮蔽の設定、そして昼光シミュレーションの設定項目が新たに追加されています。それぞれ詳細な設定があるのですが、それはまた別の機会って事で、つづく。

動作環境

以下の環境で動作を確認しています。
Windows10 Pro(64bit, 1803)
TRNSYS18.00.0019(64bit)

TRNSYSのコンポーネントが見つからない(TRNSYS-USERS)

TRNSYS-USERSの投稿で、TRNSYS17からTRNSYS18へバージョンアップしたら見当たらないコンポーネントがあるんだけど?という話題から。

[TRNSYS-users] Pump type

バージョンアップすると、それまで使っていたコンポーネントが見当たらなくなる事があります。こういうときは。。。

obsoleteフォルダを開いてみる

バージョンアップに伴って使用が推奨されなくなるコンポーネントがあります。理由としては同じ機能の新しいコンポーネントがリリースされた、まもなくサポート終了になるなどです。こういった将来的には使用できなくなる可能性が高いコンポーネントはObsoleteフォルダへ移動されます。図はTRNSYS18のObsoleteフォルダです。見当たらないコンポーネントはここに納められています。

image

すぐに使用できなくなる事もないので、既存のプロジェクトはそのまま実行できます。新しいプロジェクトを始めるときにはObsoleteフォルダからコンポーネントを配置して利用することも可能です。

とはいえ、代替の新しいコンポーネントは設定が簡単になっていたり、安定度が増しています。このため新しいコンポーネントを使用するのがお勧めです。

動作環境

以下の環境で動作を確認しています。
Windows10 Pro(64bit, 1803)
TRNSYS18.00.0019(64bit)