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2017/04/28

TRNLizard - Rhinoceros/Grasshopperプラグインがリリース

TRNSYS18対応のRhino/Grasshopperのプラグインがリリースされています。
以下、Transsolar社のTRNLizardの紹介サイト
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こちらはTRNSYS18とは別にfood4Rhinoからダウンロード、インストールして使用する形式です。(Transsolar社のサイトで配布しても良さそうな物ですが、food4RhinoからダウンロードするのがRhinoでは一般的なようです。)
TRNLizard – free OpenSource Plugin for Rhinoceros 5 und Grasshopper

TRNLizard Grasshopper info

TRNLizard Food4Rhino download

計算だけじゃなくチャートも表示できるようです。しかも、そこそこ出力がキレイ! 計算だけじゃなく、評価も分かり易くなりそうです。
food4Rhinoで紹介されている TRNLizard – Intro の動画を貼っておきます。窓の形状を変化させて計算を繰り返す例が紹介されています。

2017/04/25

もしSimulation Studioのアップデートのお知らせが表示されたら

TRNSYS17を起動すると図のような画面が表示される事があります。この画面、一見するとSimulation Studioのバージョンアップに見えますが、TRNSYS18へのアップグレードを促しています。

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【A new version of Simulation Studio is available! の画面】

対策

もし、表示されたらSkip this versionをクリックしてウィンドウを閉じてください。

※TRNSYS17はそのままお使い頂けます。

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原因

TRNSYS18のリリースに伴ってSimulation Studioがバージョンアップされた関係で表示されるようになったようです。

TRNSYS17 (17.02.0005)  Simulation Studio ver 5.4
TRNSYS18 (18.00.0011)  Simulation Studio ver 6.0

※TRNSYS17のSimulation Studioはver5.4が最新版です。更新の必要はありません。

なお、Install updateをクリックすると、ブラウザが起動して、TRNSYS18の最新版のダウンロードサイトが表示されます。こちらはTRNSYS18のユーザー専用のID,パスワードが必要なサイトになるため、そこから先へ進めなくなります。

2017/04/18

TRNSYS18 新機能概要(6)昼光シミュレーション,材料定義,昼光センサー

前回に引き続いて新機能概要の第4章の続きです。今回は昼光シミュレーション機能についてです。昼光シミュレーションを行うため、窓のデータにRadiance形式の材料データの割り当てが必要になります。

4.2. 昼光シミュレーションの統合

TRNSYS 18は、DaySIMに基づいた昼光シミュレーションの統合オプションを提供します。DaySIMは、ビル内および周辺の昼光の年間量をモデル化する、検証済みのRadianceに基づく昼光解析ソフトウェアです。(daysim.ning.com, www.radiance-online.org )

DaySIMアプローチにより、各センサーポイントの昼光係数は、Radianceフォーマットの幾何形状および材料定義に基づいて前処理ステップで生成されます。シミュレーション中に、昼光係数を使用してセンサーポイントの照度が計算されます。

昼光モデルは、熱モデルと同じ3D幾何学データに基づいています。熱のモデルを出発点として昼光シミュレーションを行う事ができます。 以下は、昼間シミュレーションのためのTRNBuildの基本ステップを示しています。

  • Radianceの材料定義
  • サーマルゾーンの昼光モードの定義
  • 昼光センサーの定義
  • Radianceファイルの生成
  • 昼光関連の出力
4.2.1 Radianceの材料定義

昼光シミュレーションでは、radianceの材料名をconstruction typeへ割り当てる必要があります。ただし、窓(Window type)以外の材料(Construction type)では、可視光吸収率は日射吸収率と等しいと仮定します。このため、追加の昼光特性データは必要ありません。

Window typeでは、昼光プロパティのオプションをradianceの材料名で定義するためWindow Typeダイアログが拡張されています。Radianceの材料名は、日射遮蔽あり、日射遮蔽なしの2つの状態それぞれに割り当てる事ができます。

材料名を選択するには、 "open radiance material file "ボタンをクリックし、表示されたウィンドウで、適切な材料名を検索して名前をコピーします。 例えば、「glass_80」を検索して、コピーし、入力ボックスへ戻って貼り付けます。材料「glass_80」は、80%の可視光線透過率の窓ガラスであることを表します。ユーザーは、必要に応じてradianceの材料をライブラリに追加することができます。(radianceの材料のデータベースはwww.lighting-materials.com/learnなどがあります)

注:ファイルヘッダーに記載されているradiance材料ファイルの構文が満たされている必要があります。

ダイアログには日射遮蔽のない状態のradiance材料の選択の参考情報として、グレージングの可視透過率が表示されます。

Window Typeに日射遮蔽装置が何もない場合は、日射遮蔽なしと同じradiance材料を、日射遮蔽ありへも割り当てる事ができます。

日射遮蔽ありの状態について詳細な情報がない場合、可視光透過率に日射遮蔽率(shading factor)を乗じた値が候補になります。

注:昼間の可視透過率は人間の目の分光感度のために全可視範囲を表すものではなく、2バンド熱モデルで使用される特性とは異なります。 ほとんどの場合、昼光の可視光透過率は出版物に記載されており、グレージングデータベース(4.1.3節参照)に保存されています。

image

Figure 9: Window Type manager – optional daylight properties

######################################################
radiance material file ######################################################
#
# syntax description:
# '#' - to start a comment lines
#
# each material description starts with a line: void material name
# with
# void - key word for defining a radiance material
# material
# - glass (transparent material)
# - plastic (opaque material with uncolored highlights)
# - metal (similar to plastic, but specular highlights are modified by …
# - mirror (used for reflecting planar surfaces)
# name - referenced for TRNSYS Type56 daylight material definition
#
# see material syntax in each section
# see also http://radsite.lbl.gov/radiance/refer/ray.html #####################################################

########### glazing #####################################
# glass_ syntax description : #############################
# void glass name
# 0 0 3 transmissivity_red transmissivity_green transmissivity_blue
…….

# glass_80
# visual transmittance: 80% #
visual transmissivity: 87.15%
void glass glass_80
0
0
3 .8715 .8715 .8715

Figure 10: Window Type manager – radiance material file

4.2.2. サーマルゾーンの昼光モードの定義

Zone内※に定義されたdaylight sensor pointで照度を計算するため、統合ツール " Generate radiance files "(セクション4.2.4を参照)によって2つの設定セットが生成されます。

• Unshaded
Window typeで定義された「unshaded」のradianceの材料プロパティが使用されます。

• Shaded
Window typeで定義された「shaded」のradianceの材料プロパティが使用されます。

※airnodeではない点に注意

シミュレーション中にこの設定を切り替えるための2つの制御モードを選択できます。

• Basic control
Zoneに含まれるすべてのExternal shading device、Internal shading deviceが、shading factor> 0.01であれば「shaded」の構成が使用されます。

• User-defined control
シミュレーション中に「shaded」、「unshaded」の2つの構成を切り替えるために、独自の制御方法を設定することができます。指定された値が0であれば「unshaded」が、1であれば「shaded」が使用されます。

制御信号の確認には出力項目のDLSHADE(昼光の日射遮蔽制御信号)を使用することを推奨します。 (NType403)

clip_image004

Figure 11: Daylight mode of thermal zone

4.2.3. 昼光センサーの定義

daylight sensor point(昼光センサーポイント)の位置は、快適性計算のGeoPostionsと同様にGeo-Infoダイアログで定義します。

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Figure 12: Daylight sensor points

2017/04/17

TRNSYS18 新機能概要(5)TRNBuild, Regime,Daylight control

新機能概要の第4章の続きです。TRNBuildの設定項目、Regime typeの変更点と、昼光利用に関連したgainの変更点です。

4.1.5 Regime Types

Regime type全般にairnodeのfloor reference area(床面積)に関連した項目が追加されました。 heating, cooling, ventilation, gains typeでは、暖冷房能力や換気量、発熱量を単位面積で定義するオプションが追加されています。これにより用途が同じairnodeには同じregime typeを使用することが容易になりました。床面積はTRNSYS3dで作成されたファイルをインポートする際に自動的に計算されます。また、出力項目としても用意されます。(NType 150)。

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Figure 4: Regime types

加えて、換気ファンの消費電力などが追加され、電力需要を考慮に入れることができるように拡張されています。これに伴って、新たな出力項目も用意されています。(NType 155-162)。

Ventilation typeが拡張され、外気からの顕熱回収、加湿、除湿の条件を含む計算が追加されています。(詳細はセクション4.4を参照)。 外部のコンポーネントを使用するのに比べて少ない労力で、より詳しいエネルギー需要を出力することができます。 (NType 170-189)

Gain typeには、より詳細な設定を提供するため以下のカテゴリが追加されました。

• people
• lights
• electrical equipment
• miscellaneous
• thermal bridge

これらのカテゴリのに対応した新しい出力項目が追加されます。(NType 151-154およびNType 163- 164)

カテゴリ「thermal bridge」は、熱橋部分のsurfaceをモデルに追加せずに外皮の熱橋の影響を考慮に入れることができます。Surfaceを追加できない3Dモデル(Geometry Mode/3D dataのモデル)には有効です。熱橋の影響は、airnodeに対して固定の熱取得/損失、または外皮の単位面積あたりの熱取得/損失として定義します(external, boundary surfaceが外皮として扱われます)。

熱橋の計算では、損失係数を正の値として入力する必要があります。熱流の方向(取得または損失)は、実際の温度差(Toutside-Tinside)により計算されます。

さらに、gain libraryは更新、拡張されています。German libraryには、DIN 13779、VDI 2078、SIA 2024などの異なる基準に基づくデータが含ます。

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Figure 5: Gain library and gain type manager

TRNSYS 18では、昼光利用に応じて人工照明を制御する機能が建物モデルに追加されています。 これに伴って、新たにdaylight control typeが追加されています。

daylight control typeの定義は、lighting control type、Illuminance set points、およびdaylight illuminanceの3つの項目で構成されます。

• Daylight control type

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Figure 6: Daylight depending control type

TRNSYS建物モデルには異なる人工照明制御のモードが実装されています。

lighting control type

• always on (no daylight control)
昼光による制御なし

• on/off
ヒステリシス制御。しきい値の上限と下限を指定します。この制御は0、または1の制御信号のみを提供します。

• continuous (lights are dimmed to the minimum, but not switched off)
昼光利用時に設定された照度を保つよう、人工照明の寄与率を調整するリニア調光器。人工照明の寄与率の最小値を指定する必要があります。照明利用時にこの比率以下にならないように調整されます。

• continuous on/off
モード2(on/off)と3(continuous)の組み合わせ。このコントロールでは、人工照明をオフにすることができます。

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Figure 7: Artificial lighting control, hysteresis control (left), dimming control (right)

daylight illuminance

昼光照度の計算

• daylight factor
昼光率Dを使用して照度を決定することは非常に粗い方法ですが、最も簡単な方法です。制御用照度E_i(t)は、水平屋外照度E_a(t)と昼光率との乗算によって算出されます。 屋外照度はTRNSYSの新しいカーネルルーチンを使ってtype56で計算されます。

• user defined value
他のプログラム、測定値によって得られた値を他のtypeによって計算された値で読み取ることによって照度の値を指定します。

• Daylight sensor position
DaySIMによる昼光シミュレーションによる計算値を適用します。最大4つのセンサー位置の平均照度が制御するために使用されます。DaySIMについてはセクション4.2で説明します。

昼光照度などの昼光に関連するコントロールの出力項目が追加されています。(NType 405-432)

4.1.6. Airnode – Gains

airnodeのgainの定義ダイアログが改訂され、概要が分かり易くなりました。

clip_image016

Figure 8: Gain/losses dialog of airnodes

各gainに対して2つ目のscaleを定義できるようになりました。 たとえば、週ごとのスケジュールをscale1として定義し、夏期の休暇の間は、さらに50%削減とする年間スケジュールをscale2に定義することができます。最終的にスケジュールは、両方のscaleの積で扱われます。Scaleが1つだけ必要な場合は、2番目のscaleを1に設定してください。

Gain typeは単位面積に対しても定義できるので、設定項目として係数「fraction of airnode reference floor area」が追加されています。この係数が1に設定されている場合、gain は床全体に適用されます。もし、 gainを床面積の30%に割り当てる場合は、「fraction of airnode reference floor area」を0.3に設定してください。

人工照明のgain(gainカテゴリがlight)では、昼光に依存するコントロールを追加できます。昼光が十分得られる場合には、人工照明による不要な内部の発熱を制御します。daylight controlがonの場合、定義済みのdaylight control typeを選択することができます。

2017/04/14

TRNSYS18 新機能概要(4)TRNBuild,Glazing, Scheule

新機能概要の第4章(TRNBuildとType56)の訳に入りました。一日一章のペースで訳を作るのが目標です。が、TRNBuild/Type56は変更点が多くてなかなか進みません。ひとまず途中まで公開です。

4. TRNBuild/多数室モデル (TYPE 56)

4.1 TRNBuild – 多数室モデルインターフェース

このセクションではTRNBuildのインターフェースに関連する変更点の概要を説明しています。

 

4.1.1. Navigator

construction type(layers, surfaces, windows)やschedule type、regime typeの項目がTRNBuildの Navigatorウィンドウに追加されました。 既存のtypeをダブルクリックすると、対応する設定画面が表示されます。右クリックで新しいデータを追加や既存のデータの削除、名前の変更、保存を行う事ができます。

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Figure 1: Extended TRNBuild navigator

4.1.2. Construction Types

WALL typeはCONSTRUCTION typeへ名称が変わります。これは床、天井、屋根または壁の構造を定義する項目であることを明確にするための名称変更です。

Construction, Window typeでは、製造時のエネルギー、再生可能なエネルギー、再生不可能なエネルギーを定義できるようになりました。

これらの情報は、プロジェクトの建物モデルで使用されているconstruction, window typeごとに集計された面積とともにINFファイルの末尾に出力されます。

4.1.3. Glazing library

TRNSYS 18パッケージには、TRNSYS 17の「add-on」ライブラリに基づくグレージングシステムライブラリが含まれています。グレージングデータベースには、メーカーから提供された詳細な特性に基づいた230種類以上のグレージングシステム(断熱型、日射遮蔽型、複層、トリプルなど) が含まれます。

注:TRANSSOLAR Energietechnik GmbHは、明示または黙示を問わず、開示された情報、装置、製品またはプロセスの正確性、完全性または有用性について、またはその使用が私的所有権を侵害しない旨を示す義務または責任を負うものとします。

グレージングシステムライブラリはLawrence Berkeley National Laboratory(http://windows.lbl.gov/)のWindow 7.4.6.0プログラムで生成されています。

このため、TRNSYS 18では新しい標準ファイル(TRNSYS18.stdとTRNSYS18_evis.ssp)が使用されます。これらのファイルでは、可視光の透過率と反射率の積分特性は、Type56の2バンド太陽放射モデルによって必要とされるエネルギースペクトルに基づいています。

Windowで使用可能なほとんどの標準ファイルでは、 人間の目の分光感度のために、波長が全可視範囲を表すわけではありません。

新しいグレージングデータベースでは、グレージング特性データの構文が、標準ファイルと、昼光シミュレーションのための放射輝度材料を選択するのに役立つよう、人間の目のスペクトル感度による可視透過率を含むように拡張されています。

BERKELEY LAB WINDOW v7.4.6.0 DOE-2 Data File : Multi Band Calculation : generated with TRNSYS18.std

Unit System : SI
Name : DOE-2 WINDOW LIB
Desc : GU_ClimaGuard_N_#3_Ar90
Window ID : 3201
Tilt : 90.0
Glazings : 2


SHGC 0.660 N/A N/A N/A N/A N/A N/A N/A N/A N/A N/A
Tvis_daylight: 0.800

Layer ID# 33000 33009 0 0 0 0

Figure 2: Glazing system property data syntax

TRNSYS18の標準形式で作成されていないグレージングデータを使用することも可能です。しかし、1つのゾーンで異なる基準で生成された2つのグレージング特性を使用することはできません。TRNSYS18で新しい標準形式のファイルを導入する理由は、高い選択性グレージング特性(例えば日射遮蔽型のグレージング)を有する並立した2つの窓の日射のより正確なシミュレーションを可能にするためです。

ライブラリのグレージングシステム(例:図2のGU_ClimaGuard_N_#3_Ar90)の「説明」(Desc :)は、以下のように記述されます。

YY_name_NN_filling
YY - Manufacturer code
(GU…Guardian, IP…Interpane, SG…SaintGobain, GT Glas Trösch) name - Glazing system name
NN - Coating position e.g #3 (numeration starts on the outer face)
filling - Filling between glass panels

4.1.4. Schedule Types

TRNSYS18ではschedule typeの定義が視覚的に確認できるインターフェースが追加されました。また、新しいスケジュールとして年間スケジュールが加わりました。年間スケジュールは特にgain typeのscaleの指定に有効です。(参照 4.1.6 )

また、SIA2004に基づいたマンション、ホテル、オフィス、学校、スーパーマーケットやレストランなどの建物の用途別に40以上のスケジュールがGerman、French ライブラリに追加されました。

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Figure 3: Schedule types and library

補足解説

SIA2004が詳しくは分からないのですが、文脈からすると用途別に決められたスケジュールのパターンがあるようです。(EU基準?)
日本でも標準的なスケジュール(学会モデルとか自立循環のパターンとか)が提供したいところです。

2017/04/13

TRNSYS18 新機能概要(3)Simulation Studio, FORTRAN90

新機能概要の3章、Simulation Studioの新機能の訳です。

3. TRNSYS SIMULATION STUDIO

3.1. パラメトリックスタディ

新しいパラメトリックスタディ機能では変数値のテーブルを使って、一連のシミュレーションを実行することができます。テーブルは、Simulation Studioで直接作成することができます。はじめにコンポーネントを選択し、変更する変数(Parameter、InputまたはEquation)に値を指定します。 必要に応じて'+'ボタンをクリックして値を指定する回数を追加することができます。

複数のシミュレーションを並列実行する個数の指定も可能です。CPUのマルチコア・アーキテクチャを利用して、複数のシミュレーションを並行して実行することができます。シミュレーションが実行されている間に別の作業を続けたい場合は、負荷を適切なレベルに保つために並列実行を1つに制限することも可能です。(よりCPUのリソースを有効活用できます)

並列実行を1つに制限することは、プロジェクトで使用されるコンポーネントが並列実行に対応しないもの(たとえば、固定の名前で一時ファイルを作成するなど)がある場合にも有効です。

clip_image002

補足解説

TRNSYSで条件を変えながらシミュレーションを行いたいケースってありますが、パラメトリックスタディ機能では、複数の条件を指定してまとめて一気に計算を実行できます。並行して複数の計算を実行できるので、例えば計算が100ケースあっても、2計算並行だと半分、4計算並行だと1/4の時間で済みます。

 

3.2. 3D Building Projectの昼光利用対応

3D Building assistant(ウィザード)の新バージョンでは、このドキュメントに記載されているType56の新機能へ対応しました。また、以前は設定項目ごとに複数のダイアログに分かれていましたが、簡略化され1つのダイアログウィンドウにまとめられています。このダイアログで日射分配率や地中温度を定義することができます。このウィザードはSketchUpで作成したIDFファイルを読み込み、プロジェクトと建物の説明の両方を含むTRNSYSプロジェクトに変換します。読み込まれた建物のデータは新しい昼光機能を使用することができます。

 

3.3. 相互運用性の向上

TRNSYSモデルファイル(.TMFファイル、プロフォルマ)は、汎用的なXMLの形式で保存できるようになりました。これにより、サードバーティーによるSimulation Studioのモデル記述のインポート、およびエクスポート用のソフトウェアの開発が容易になります。モデルをXMLで直接作成することも可能です。

従来の.TMF形式も引き続き利用可能です。両方の形式が使用可能です。

clip_image004

シミュレーション入力ファイル(dckファイル)のメタコマンドも拡張されました。リンクスタイル/接続ポートに関する情報を格納できるようになりました。

clip_image006

この機能は、3D Building assistantでプロジェクトを生成する際にも使用されています。

 

3.4. FORTRAN90形式のテンプレート

Simulation StudioからエクスポートされるFORTRANのテンプレートがFOTRAN90形式に対応しました。

clip_image008

また、テンプレートの記述内容もIN / OUT / PAR 配列を直接操作するものから、TRNSYSのアクセス関数に変更されています。

 

3.5.その他の改善点

Simulation Studioでは、上記の他、以下の機能拡張が実装されています。

• 簡略化されたダイアログ:未使用のタブは非表示化、キーボードショートカット
• 接続ウィンドウの改善:名前順の変数の並べ替え表示。最初にインバウンド変数をクリックし、削除キーで選択した接続を削除し、新しいキーボードショートカットとマップを作成します
• 改善されたエラーレポート:エラーがあれば自動的にタブ付きの新しいデザイン、改善されたフィルタ機能のレポートを表示(notice/warning/errors)
• シミュレーションサマリーレポートのアクティブ化
• 多数の単純化と問題の修正

2017/04/12

TRNSYS18 新機能概要(2)パッケージ構成、TypeStudio

前回に引き続き、TRNSYS18の新機能概要です。ドキュメントの改訂と新しく追加されたTypeStudioのご紹介です。

2. パッケージ

2.1. TRNSYSを有効活用するためのドキュメント

マニュアルのほとんどが、初心者がTRNSYSを使い始める際に役立つように書き直されています。

既存のチュートリアルのドキュメントを別のボリュームに移動し、さらに詳細な建物/ HVACプロジェクトを含む新しいチュートリアルを追加しています。多くの例題が追加され、詳細なドキュメントとともにまとめられています。

Mathematical referenceでは、パラメーター/入力/出力項目と各コンポーネントを使用するためのヒントとコツが追記されました。

補足解説

今回のバージョンでは、より分かり易いドキュメントがテーマの一つになっています。初心者向けとありますが、TRNSYSの初心者という意味なので、チュートリアルは割としっかりした内容になるようです。

 

2.2. 統合型TRNSYS専用Fortranコンパイラ(TypeStudio)

TypeStudioは、新しいType(コンポーネント)を簡単に作成するためのグラフィカルインターフェースとFortranコンパイラから構成されます。

TypeStudioでは、作業用に1つまたは複数のTypeを含むワークスペースを作成、および管理します。ユーザーはこれを使って、TRNSYSエンジンがシミュレーションで使用可能なダイナミックリンクライブラリ(DLL, Dynamic Link Library)をビルドし、適切なフォルダに配置することができます。

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補足解説

FORTRANコンパイラが標準添付になります。しかもTRNSYSのコンポーネント作成に特化したツールになっているので、簡単な操作でコンポーネントのコーディング(記述)、ビルド、フォルダへの配置が行えます。従来は別途 Intel FORTRANコンパイラを入手する必要がありましたが、TRNSYSのパッケージの中に専用のコンパイラが含まれます。気軽にコンポーネントが作れるので、Equationでは少々難しい計算は試しにコンポーネントにしてしまうことも簡単です。
とはいえ、TRNSYS本体(TRNDLL.DLL)のビルドには引き続きIntel FORTRANが要るようです。また、複雑な処理を行うコンポーネントの開発にはIntel FORTRANのような強力な開発環境は力を発揮します。目的によって使い分ける事になると思います。

2017/04/11

TRNSYS18 新機能概要(1)はじめに、新機能概要

Transsolar社のサイトでTRNSYS18の新機能をまとめたドキュメント(PDF形式)が公開されています。

http://trnsys.de/docs/trnsys18/trnsys18_uebersicht_en.htm
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詳細は上記のリンク先からダウンロードできます。冒頭の新機能概要の部分を日本語に訳してみました。あちこち不明な部分があって、もやっとした訳になっていますが、概要は分かるかと思います。誤訳などあればご指摘いただけると助かります。(もう少し読み込んで徐々に訳を訂正していきたいと思います。)

 

1. はじめに

TRNSYSは、1975年からリリースされている非定常なエネルギーシミュレーションを行う拡張可能ミュレーションプログラムであり、米国、フランス、ドイツの国際協力の元で開発が続けられています。 TRNSYSは、数学モデル、利用可能なアドオンコンポーネント、マルチゾーン構築モデルの機能、および他のシミュレーションプログラムとのインターフェース機能を追加することにより、最も柔軟なエネルギーシミュレーションソフトウェアパッケージの1つです。

このドキュメントでは、新しいTRNSYS18のアップデート内容について説明します。このアップデートには、Simulation Studioの改良、多数室モデルへの新機能の追加、TRNSYSエンジンの改良、および新しく標準ライブラリへ追加されるコンポーネントが含まれます。

 

1.1.新機能の概要

パッケージに含まれる内容

• TRNSYSの使い方を学ぶことに重点を置いたドキュメント
• ヒントとコツのドキュメント
• パラメータ/入力/出力リファレンスドキュメント
• HVACシステムの計算例のドキュメント
• 詳細な建物/ HVACモデリングの入門チュートリアル
• ドキュメントの用意された計算例の追加
• 統合型TRNSYS専用Fortran型コンパイラ(TypeStudio)

Simulation Studio

• パラメトリックスタディ機能
• 昼光を含む3D建物のプロジェクトタイプ
• より良い相互運用性:XML形式のTMFファイル、Dckファイルのスタイル情報
• FORTRAN 90形式のFORTRANコードの生成
• 簡略化されたダイアログ:未使用のタブは非表示化、キーボードショートカット
• 接続ウィンドウの改善:名前順の変数の並べ替え表示。最初にインバウンド変数をクリックし、削除キーで選択した接続を削除し、新しいキーボードショートカットとマップを作成します
• 改善されたエラーレポート:エラーがあれば自動的にタブ付きの新しいデザイン、改善されたフィルタ機能のレポートを表示(notice/warning/errors)
• シミュレーションサマリーレポートのアクティブ化
• 多数の単純化と問題の修正

 

TRNSYS 多数室モデル (Type 56)

• 昼光依存の制御タイプ
• DaySIMに基づくセンサーポイントの動的昼光シミュレーション
• ASHRAE Standard 55-2013、Appendix G に基づく快適性の計算
• 熱回収を含む供給空調のエネルギー需要
• ソースコードの再構築

 

TRNBuild (多数室モデルのインターフェース)

• TRNBuild Navigatorへregimeデータ(heating, cooling, ventilation, gains)と建物データ(layers, surfaces, windows)、Scheduleを追加
• Airnodes, Zones, Construction typesなどへ長い名前の使用が可能
• Airnodes, Zones, Construction typesなどの名前に小文字が使用可能
• Surface Type(wall, floor, ceiling, roof)を追加
• Wall TypeはConstruction Typeへ名称へ変更
• LayerやWindowへ再生可能な一次エネルギーと再生不可能な一次エネルギーの合計を追加
• 新しいGlazingライブラリ
• 新しいScheduleライブラリ
• 年間Scheduleの追加
• 新しいGainライブラリ
• 新しいGainカテゴリ:照明、在室者、機器、その他、サーマルブリッジ
• Airnodeへ新しいパラメータとしてref. floor area(床面積)の追加
• 床面積あたりのRegimeデータの定義(heating, cooling, ventilation, gains)が可能
• ResimeタイプへのElectric fraction(消費電力率?)の定義
• Airnode間のカップリングが2系統から6系統へ拡張
• いくつかの新しい出力項目(NType)
• ユーザー定義のInputへの単位指定と説明

 

TRNSYS Engine

• 改良された日射の補間処理
• 更新された空気線図のプロパティ
• 自動レポート生成機能

 

新しいコンポーネント

• 8つの新しいコントローラコンポーネント
• 20個の新しいHVAC空気側コンポーネント
• 他のプログラムと連携する新しい3つのコンポーネント(Mathis、Python、CoolProp)
• 11個の新しい温水循環式機器のコンポーネント
• 2つの新しいユーティリティコンポーネント
• 2つの新しい電気設備のコンポーネント

 

TRNSYSアドオン(パッケージには含まれません)

• 複雑な窓ガラスモデル(多数室モデル/Type56へ統合)
• TRNSYS3d
• TRNLizard
    - Rhino / Grasshopperの新しいプラグイン
    - パラメトリックジオメトリモデリング
    - ミュレーションを構築するための直感的なインターフェース
    - 3Dビジュアライゼーション

1.2.TRNSYS 17からTRNSYS 18への更新

TRNSYSの新バージョンでは、TRNSYS17のSimulation Studioプロジェクトファイル(* .tpf)を開いてシミュレートすることができます。 ただし、ファイルが一旦TRNSYS18のプロジェクトとして保存されると、TRNSYS17で再度開くことはできなくなります。

多数室モデルを含むプロジェクトでは、TRNBuildが自動的にBUIファイル(.bui,.b17)をTRNSYS17の形式から新しいTRNSYS18の形式に更新します。 ただし、ファイルの保存は新しいTRNBuild形式(TRNSYS18形式)になります。

注意:TRNSYS18のBUIファイルは、以前のバージョンのTRNSYSでは正しく開くことができません。

2017/04/10

気温差20度以上

NETATMOのマップをみたら、北(知床)は2,3℃、南(沖縄)は25℃。この気温差は、やはりすごいですね。

https://weathermap.netatmo.com/image

TRNSYS18が対応するSketchUpのバージョン情報

ぼちぼち詳しい情報が出てきました。多数室モデルの作成に欠かせないTRNSYS18/TRNSYS3Dが対応するSketchUpのバージョン情報です。

SketchUp ver 8から最新版のSketchUp2017まで幅広いバージョンへ対応します。(インストーラーの画面を見ると「SketchUp8 and older」とあるので、それ以前のバージョンも対象のようですが、さすがにあまりお勧めしません)

SketchUpは毎年新バージョンがリリースされるので、そろそろ以前のバージョンはサポートから外れるかと思っていたのですが、引き続きサポートされるようなので、一安心です。

image

2017/04/05

動いたけど半信半疑

TRNSYSでコンポーネントを作る際には、計算そのものの実装の他、計算に使う入力やパラメータなどの値をTRNSYSの本体(Kernel)から取得します。この処理はTRNSYSに予め用意されている関数を使って行います。ほとんど場合は実数値を取得するのですが、まれに文字列を取得したいことがあります。例えば実行中のDckファイルをコンポーネントで取得する場合、getDeckFileName()という関数を利用します。

C/C++から関数を呼び出す

TRNSYSの関数はFOTRANからの呼び出しを前提にしています。このためC/C++のような別の言語からの呼び出しは一工夫要ります。
もっとも実数値であれば慣れれば、それほど難しくもないのですが、困るのが文字列の扱いです。そのあたりの事情と対策は以前にまとめています。

参考:TRNSYSの関数をC/C++から呼び出すと動かない

この方法でFORTRAN側でC/C++用の関数を用意することで対応はできるものの、TRNDLL.DLLのビルドが必要になります。それはそれでハードルが高い。なにかC/C++だけでなんとかならないかと思っていたのですが、たまたま見たサイトに、そのものずばりを見つけました。

Returning a CHARACTER String

Passing strings between C and Fortran routines is not encouraged. However, a Fortran character-string-valued function is equivalent to a C function with two additional first arguments--data address and string length. The general pattern for the Fortran function and its corresponding C function is:

Fortran function
CHARACTER*n FUNCTION C(a1, ..., an)

C function
void c_ (result, length, a1, ..., an)
char
result[ ];
long length;

出典:Fortran Programming Guide Chapter 11 C-Fortran Interface より抜粋
このリンク先の最後の方に記載があります。

なんと関数呼び出しの引数に文字列と、その長さを受け取るための変数を追加するだけ。こんなシンプルなというか、暗黙の変換があるのがそもそも驚きです。(リンク先の記載の感じだと割と一般的な処理っぽい)半信半疑でgetDeckFileName()を例にヘッダーを書き換えてみます。

extern "C" __declspec(dllimport) int    _cdecl TRNSYSFUNCTIONS_mp_GETMAXPATHLENGTH(void);
extern "C" __declspec(dllimport) char*    _cdecl TRNSYSFUNCTIONS_mp_GETDECKFILENAME(char* dck, size_t len);

赤い文字の部分が書き加えた部分です。getDeckFileName()に加えて、getMaxPathLength()も書き換えています。これはファイル名を取得する際にファイル名の最大長が必要になるため使用します。(ヘッダーの雛形の定義が間違っていて、そのまま使うとエラーになります。かならず書き換えましょう)

 

そしてC/C++から呼び出す

実際にC/C++から呼び出してみた例が以下になります。
fnameにはNULL終端していない固定長の文字列が返ってくるので、念のためトリミングの処理をしています。
これで最終的に std::string deckFileName にトリミングされたファイル名が入っていればOKという事になります。

size_t maxlen = getMaxPathLength(); // ファイル名の文字列の最大長を取得
char *fname= new char[maxlen];  // ファイル名を受け取る変数を用意する
getDeckFileName(fname, maxlen); // ファイル名を取得
std::string deckFileName = trim(std::string(fname,0,maxlen)); // 念のためトリミングする
delete[] fname; // 変数を削除

ちなみにトリミング処理は、こんな感じで実装
std::string trim(const std::string& str)
{
    size_t first = str.find_first_not_of(' ');
    if (std::string::npos == first)
    {
        return str;
    }
    size_t last = str.find_last_not_of(' ');
    return str.substr(first, (last - first + 1));
}

結果

で、実際動かしてみたら無事に目的の文字列が取れました。

image

拍子抜けするぐらいあっさりと動きました。逆に不安になるぐらい。これで長年の課題がようやく解決できた。(本当か?)

計算業務の打ち合わせ。。。

白板をみると、だれだ落書きしたの!

image

2017/04/04

TRNSYS/TRNLizardの紹介ビデオ

Transsolar社のサイトでTRNLizard(Rhinoceros / Grasshopper のプラグイン)の紹介ビデオが公開されています。
テンプレートを選んで配置するだけで計算条件の設定、温熱環境、それと光環境(TRNSYS18の新機能)の計算が行えるようです。しかもパラメトリックに変更できます。
TRNLizard – free OpenSource Plugin for Rhinoceros 5 und Grasshopper
2017/4/27 追記 YouTubeで公開されてためリンク先を変更

2017/04/03

インド、ニューデリーのTRNSYSを使った都市建築エネルギーモデル(UBEM)の事例

TRNLizardの情報を探していて見つけたTranssolar社が公開している事例です。GISのデータ(地理空間情報)から都市のエネルギー計算を行っているようです。

TRNLizardと独自開発のTRNZilla(アイコンがゴジラ?)が使われています。(リンク先で公開されているPDFの資料がなかなかキレイにまとまっていて分かり易い)

TRNLizardって、Rhinoceros / Grasshopper のプラグインなのですが、対象は建物になります。それを都市レベルへスケールアップするために開発したのがTRNZillaになるようです。

 

Towards Designing Energy Self-Sufficient Smart Cities

以下、冒頭部分だけ翻訳

エネルギー自給自足スマートシティの設計に向けて都市の地理空間データセットから完全な都市建築エネルギーモデル(UBEM)を生成するためのワークフロー明日の世界はどのように見えますか? 人類史上、これまでにない速さで、世界は急速に変化しています。 2030年までに、アジアだけで50億人が暮らします。 世界中の市の政府がこの驚くべき現象を認識しており、この増加する人口に対応するために各都市を準備しています。 注目すべきは、インド政府は、2015年にインドで100のSMART都市を開発するプログラムを立ち上げ、エネルギー効率を重要な特徴としています。 したがって、この研究の探求は、インドの提案されたSMART都市の一つであるニューデリーのエネルギーマスタープランの開発を支援するソフトウェアワークフローを開発することです。