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2018/06/06

面倒なコンポーネント設定にプラグイン

TRNSYSのコンポーネントでパラメータの指定が複雑なものって設定が面倒ですよね。Simulation Studioには複雑な設定を助けるためプラグインの仕組みが用意されています。いくつかのコンポーネントが対応していて、複雑な指定も簡単な操作で設定できるようになっています。

プラグインの例

下の図はType14の例ですが、設定画面左下のMagic Stickアイコンをクリックするとプラグインが起動します。

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プラグインが起動するとType14の時刻ごとの値の変化がチャートで表示されます。設定内容が視覚的に確認できるので、簡単に設定が行えます。

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プラグインの仕組み

プラグインの本体は通常のアプリケーションと同じなので、C/C++やC#、その他のプログラミング言語を使って作成することができます。ただし、Simulation Studioと設定内容のやり取りをするため、所定のデータを扱う必要があります。こう言うとなにか複雑な処理が必要なように聞こえますが、テキストファイル形式のシンプルな内容です。

基本的にテキストファイルを扱えるアプリケーションであればSimulation Studioとやり取りしているデータを受け取ることができます。

下の図はプラグインの代わりに「メモ帳」を使った例です。Commentタブの画面の下にプラグインを指定している項目があるので、ここをメモ帳に置き換えます。

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この状態で、Magic Stickアイコンをクリックすると、メモ帳が起動してSimulation Studioからのデータを読み込んで表示してくれます。

下の画面のように、INPUTS,PARAMETERSなどコンポーネントの設定画面で見慣れた単語が並んでいるのが分かります。

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ここで内容を書き換えて保存、メモ帳を終了すると、Simulation Studioに変更内容が反映されます。非常にシンプルな仕組みです。通常のType14のプラグインは、このテキストデータを使って、チャートの表現をしているわけです。

頻繁に利用するコンポーネントやオリジナルのコンポーネントを作成する場合には、プラグインを含めて考えると使いやすくなります。

なにか簡単な作成例でも紹介できないかと思いますが、それはまた別の機会ということで。。。

プラグインの詳しい仕様についてはドキュメントの以下の箇所にまとめれらています。

2.12.5. The plug-in technology


動作環境

以下の環境で動作を確認しています。
Windows10 Pro(64bit)
TRNSYS18.00.0018(64bit)

2018/05/24

TRNSYS-USERSより(壁の厚みとZoneの容積)

壁の厚み(Thickness)とZoneの容積についての割と良くある疑問です。

TRNSYS-USERS
http://lists.onebuilding.org/pipermail/trnsys-users-onebuilding.org/2018-May/030139.html

質問をざっくりまとめると...

Construction/Wall typeの厚みは壁の熱の特性のみに影響するのか、Zoneの容積にも影響するのか?
また、Zoneの形状を作成する場合は、容積を考慮して内法寸法をとるのか、外周でとるのか?

回答者の答え

Construction/Wall typeの厚みはZoneの容積には影響しません。壁の熱特性のみに影響します。
モデリングをする際に壁の内法、外周、壁芯のどれを採用するかについてのコンセンサスはありません。私は普段は外壁については内法、内壁は壁芯を採用しています。

Zoneの容積を考えると外壁は内法、内壁は壁芯というのは理にかなっている気がします。SketchUp/TRNSYS3Dのモデリングでは、個人的にはすべて壁芯で寸法をとるケースが多いのですが、そうすると壁厚の分だけZoneの容積は増えることになります。そうかと言って容積優先で内法でモデリングするとZone間の位置関係がおかしくなります。

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Zoneを内法で取ると間が詰まるので歪んでしまう

この回答者のように外壁側は内法で寸法を取るのはバランスが良いかもしれません。

とはいえ目的によります。例えば、壁や開口部の断熱性能の違いを比較をするのであれば、モデルは同じで材料物性値や厚みを変えて比較することになります。容積についてはさほど影響ないので、すべて壁芯で問題なさそうです。(部屋の面積や壁厚にもよります)

実測と計算結果を比較するようなケースでは、条件によっては容積が重要なるケースも考えられます。そういった場合には内法でモデリングが有効かも知れません。何を計算したいかによってモデリングの考え方も変わってくるのだと思います。

2018/05/21

PMVセンサー

TRNSYSExperienceで展示していたドイツ、カイザースラウテルン大学(University of Kaiserslautern)で開発中のPMVセンサー。

いずれは回路図やアプリケショーンもオープンソースにしたいというような事を言っていました。(ちゃんと聞き取れているのか自信ないですが)
それにしても計測器らしからぬデザインでオフィスに置いても違和感なさそう。個人的に1個欲しいです。

室内のワークスペースごとに配置して使用するらしく、コストも抑えた設計なっているようです。データはWiFiで集めてデータベースに保存する仕組み。今時の設計ですね。

USB電源なので、どこの国でも気軽に配置出来そうです。会場のあちこちに設置されていて計測していました。

こちらはAndoroidタブレットで動作する、モニタリングのアプリケーション。

最終日に計測結果をレビューしていました。同じ会場内でも場所によって温度差がありますね。

詳しい情報はこちら。。。

カイザースラウテルン大学(University of Kaiserslautern)
The Living Lab smart office space

PMV sensor stations

2018/05/16

Simulation Studioの画面を1枚に印刷する

TRNSYS-USERSを眺めていたら印刷についての質問が上がっていました。

かなり大規模なプロジェクトらしく、Simulation Studioから画面を印刷するとA3で6枚に出力されるようです。これを1枚に収められないかという質問です。

Simulation Studioの印刷機能では用紙に合せて画面イメージの大きさを調整する機能はありません。対策として画面イメージを他のアプリケーションに貼り付けて印刷する方法が紹介されています。

以下、操作方法です。(紹介されている方法ではZoom操作を行っていますが、こちらの方が簡単です)

画面のイメージをクリップボードへコピーする

Simulation Studioでプロジェクトを開いた状態で、キーボードからCtrl+Aを押して画面上のアイコン(コンポーネント)をすべて選択状態にする。(すべのコンポーネントが見えていなくてもOKです)

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キーボードからCtrl+Cを押して、クリップボードへコピーする。

他のアプリケーションへ貼り付ける

クリップボードへコピーされると印刷に使用するアプリケーションへイメージ(画像)として貼り付けることができます。

ただし、ペイントなど画像を扱うアプリケーションへは上手く貼り付けできない事があります。実際にペイントへ貼り付けると、図のようにアイコンが抜けてしまいます。image

この場合はいちどExcelなどへ貼り付け、再度クリップボードへコピーして貼り付ければキレイに貼り付けできます。

Excelを開いて Ctrl+V でワークシートへ貼り付け、そのまま Ctrl+C 再度クリップボードへコピーします。(ここ重要)

image

ペイントの画面へ移動して Ctrl+V でイメージを貼り付ける。

image

今度はアイコンも含めてキレイに貼り付けられました。

以上。

動作環境

以下の環境で動作を確認しています。
Windows10 Pro(64bit)
TRNSYS18.00.0017(64bit)

新しいTRNSYSコンポーネントを作成する

前回のつづきです。

サンプルのプロジェクトを利用して新しいコンポーネントを作成する手順の紹介です。この例ではサンプルプロジェクトを元にType202を作成しています。

※予めGithub/TRNSYS.JPから関連するファイルをダウンロードしておいてください。

1 作業フォルダの準備

はじめにサンプルのプロジェクトをコピーして作業用のフォルダを用意します。

フォルダ("C:\TRNSYS18\Compilers\MyType201")をコピーして名前をMyType202へ変更します。

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2 ソースコードの準備

Simulation Studioで新しいType(MyType202)のプロフォルマを作成、FORTRANのソースコード(Type202.f90)を同じフォルダへエクスポートして置きます。

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3 プロジェクト名の変更

Visual Studio 2017を起動して、ソリューション(MyType.sln)を開き、プロジェクト名をMyType201からMyType202へ変更します。

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※このプロジェクト名の変更で、出力されるDLLの名前がMyType202.dllへ変わります。

4 ソースコードの差し替え

既存のソースコード(Type201.f90)をプロジェクトから削除(クリア)する。

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image

Source Filesフォルダを選んで、右クリックから[追加]-[既存の項目]で、先ほど追加した新しいソースコード(Type202.f90)を追加する。

image

ソリューションエクスプローラーの表示が以下のようになっている事を確認する。

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以上でプロジェクトの準備は終了です。Type202.f90へ処理内容を記述して、無事ビルドできれば完了です。


動作環境

以下の環境で動作を確認しています。
Windows10 Pro(64bit)
Intel Parallel Studio XE2018 Update2
Visual Studio 2017(ver15.7.1)
TRNSYS18.00.0017(64bit)

2018/05/14

Intel Parallel Studio XE2018でTRNSYSコンポーネントをビルドする

Intel Parallel Studio XE2018 Fortran でTRNSYSコンポーネントをビルドする際のプロジェクト設定のメモ。

TRNSYS18からTypeStudioがリリースされたので使うケースは減りそうですが、複雑な計算を実装するようなケースではIntel Parallel Studio XE2018は強力なツールです。

※XE2018 で検証していますが、それ以前のバージョンでも項目自体は変わっていないので設定内容は一緒です。

2018/5/15 追記

Gitub/TRNSYS.JPでサンプルのソースコードとビルド用のプロジェクト、テスト用のTPFを公開しました。

●TRNSYS.JP/TRNSYS18/Compilers/MyType201

ソースコードとビルド用のプロジェクト一式

●TRNSYS.JP/TRNSYS18/Studio/Proformas/MyComponents/MyType201

プロフォルマ(*.tmf)

●TRNSYS.JP/TRNSYS18/MyProjects/MyType201Project

テスト用プロジェクト一式


1    プロジェクト設定

Fortran,リンカーの主な設定項目を以下に示す。以下、Release、Debugで設定が異なる項目については併記しています。
1.1    FORTRAN
1.1.1    追加のインクルード・ディレクトリー
● Release

image
 
● Debug
image 

1.1.2    データ
● すべての構成
image
 
1.1.3    浮動小数点
● すべての構成
  image

1.1.4    外部プロシージャ
● すべての構成
  image

1.1.5    ライブラリー
● Release
 image
● Debug
image 

1.1.6    ランタイム
● Release
image 
● Debug
image 


1.2    リンカー
1.2.1    全般
注)「追加のライブラリー・ディレクトリー」のみ設定が異なる。
● Release
image 
● Debug
image 

1.2.2    入力
● すべての構成
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※「全般」「追加のライブラリー・ディレクトリー」でRelease,Debugで参照先が変わるように設定している。このためTRNDll64.libはビルドのモードに応じて適切なライブラリが参照される。

2018/05/15追記

TRNDLL64.libはあらかじめ"C:\TRNSYS18\Compilers\TRNSYS\TRNSYS.sln"を開いてRelease,Debugの両方のモードでビルドしておいてください。

1.3    ビルドイベント
1.3.1    ビルド後のイベント
● Release
image 
● Debug
image


動作環境

以下の環境で動作を確認しています。
Windows10 Pro(64bit)
Intel Parallel Studio XE2018 Update2
Visual Studio 2017(ver15.7.1)
TRNSYS18.00.0017(64bit)

2018/05/11

換気の影響を検討する

TRNSYSを使った建物の換気の影響を検討するケースって割とあります。以前は住宅が多かったんだけど、事務所ビルも省エネ、ゼロエネ対策で検討するケースがあります。

換気回数や実施する時間帯でどの程度の効果が見込めるか検討するわけですが、これをZoneの気積(容積)を基準に普段は換気回数で指定します。

でも、まれにVentilation Typeで処理したいことがあります。でもVentilation Typeだと換気量[kg/h](換気回数[回/h]じゃなくて)で指定なんですよね。これが換算するのが割とめんどくさい。Zoneの容積が〇〇m3だから密度と換気回数を掛けて。。。

Equationを使って換算

こういう時はEquationを一個配置して、次のような式を入れておきます。

例)1回/h換気

ACH = 1
AirflowRate = 43.2*0.987*ACH  ! Zoneの気積[m3] x Air density[kg/m3] x 換気回数[回/h]

このAirflowRateの値をInput経由でType56/Ventilation typeへ引き渡して処理すればっきりします。

換気回数を変えるときはACHの値を2,3,4...のように順に変更して計算を繰り返します。

imageちなみにTRNSYS18からはパラメトリックスタディ機能で、あらかじめACHの値を何パターンか用意して一気に計算することもできます。(いっぱいパターンがある場合はまとめて計算できる)

下の画面は0回/hから1,2,3...ように増やして計算した例。image

動作環境

以下の環境で動作を確認しています。
Windows10 Pro(64bit)
TRNSYS18.00.0017(64bit)

2018/05/10

TRNSYSExperience Seminar 2018について(おまけ)

前回からのつづき、というかおまけ。ルクセンブルク大学の建物を含め、この地区の建物には省エネの工夫が施されています。

冷房負荷ゼロのオフィスビル

大学と同じ地区に建っているオフィスビル。ルーバー付きの開口部。夏は日射遮蔽と夜間換気(外気導入)で冷房コストゼロ、というかそもそも冷房設備は付いていないそうです。利用者が開閉する運用で成り立っているようです。

※夏の最高気温が26,7℃ぐらいなので、冷房の必要性がそれほど高くないようです。

参考:ルクセンブルクの過去5年間の気温(気象庁 世界の天候データツール)


ルクセンブルク大学

ファサードはグリッド上のフレームが2重に配置された特徴的な外観です。このフレームは庇の役割を果たし、日射遮蔽として機能しています。奥に見えるのは先ほどのオフィスと同じルーバー付きの開口。

この2重フレームはメンテナンスが大変そうだなと思って見ていたら、タイミング良く反対側で清掃やっていました。

やっぱりこうなるか。高所作業車から作業員が放水してます。高圧洗浄ではなくて、ホースで水をどばどば掛けているようです。


フライングオブジェクト

省エネとは関係ないですが、敷地の至る所に配置されている不思議なオブジェ。単なるオブジェかと思っていたらすべて街灯です。日が暮れると点灯します。こういうの好きです。

2018/05/08

SketchUp2018へTRNSYS3D Pluginをインストールする

SketchUp2018

昨年末頃からSketchUp2018がリリースされていますが、TRNSYS18に添付のTRNSYS3D PluginはSketchUp2018には正式対応してません。(2018/5/8現在, SketchUp ver.8~2017対応)

でも使えます。SketchUpのプラグインの仕組みが同じなのでインストール方法さえ気をつければ、そのまま使えます。

インストール方法

と言うことでインストール方法は以下の通り。

1.インストーラーを起動する

C:\TRNSYS18\Toolsフォルダを開いてT3d_setup.exeをダブルクリックして起動します。

image

2.使用許諾の確認

[I Agree]を選んで次へ進みます。

image

3.SkechUpのバージョン選択

ここはなるべく新しいバージョン(SketchUp 2017)を選んで[Next >]をクリックして次へ進みます。

image

4.インストール先のパスを変更

インストール先のフォルダ名を2017から2018へ変更して[Install」をクリックする。

変更前:c:\ProgramData\SketchUp\SketchUp 2017\

変更後:c:\ProgramData\SketchUp\SketchUp 2018\

image

以上でインストール完了です。


動作環境

以下の環境で動作を確認しています。
Windows10 Pro(64bit)
Python:Anaconda 5.1(Python 3.6/64bit)
TRNSYS18.00.0017(64bit)

2018/04/26

TRNSYSExperience Seminar 2018について

TRNSYSExperience2018

前回、会場が分からなくて少々慌てましたが、なんとか無事に参加できました。

このイベントは2015年から開催されているTRNSYSの国際セミナーです。大学を中心とした組織委員会で運営されており、研究開発、教育機関の事例紹介、情報交換を目的として開催されています。

詳しくはこちら→ TRNSYSExperience

今年はルクセンブルク大学(ベルヴァール、ルクセンブルク)を会場に4/19,20の2日間に渡って開催されました。

出席者は11カ国、50名ほど、セッションごとに2,3名が発表を行うオーガナイズドセッション形式で5セッション。

TRNSYSを使ったシステム開発、建物のシミュレーションから、他のツールとの連成事例、加えて未発表の新機能の紹介まで盛りだくさんです。(代理店なのに初めて聞く情報があって、驚かされます)

各セッションの発表内容ついては機会があればご紹介したいと思います。

ベルヴァール(BELVAL)

初日のセッション後にルクセンブルク大学のあるベルヴァール地区のツアーに参加してきました。ここは製鉄所の跡地で、大学の他、商業施設、オフィス、住居、コンサートホールなどを備えた再開発地区だそうです。位置的にはフランス国境と接しており、大学から1ブロックほど西はもうフランスです。(国境らしい物が何もないので、まったく気がつきませんでした。後から地図を見て気がついた)

一帯には良質な鉄鉱石の鉱床がルクセンブルク南西部からフランスに渡ってあったため、ここに製鉄所が作れられたようです。

敷地内には至る所に製鉄所の建物が残されていて、近代的な建物と並んで独特の雰囲気を作り出しています。産業遺産的な扱いなんでしょうかね。ツアーに参加すると中へも入れます。

Belval, Luxembourg #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA


溶鉱炉の横には近代的な建物。こちらはオフィスらしいのですが、一見開口部がまったく無いように見えて、じつはすべて窓だそうです。どういう構造なのか中へ入れなかったので謎です。すごい冷房負荷高そうです。

奥に見える赤い建物はオフィス、手前のコンクリート製の柱は貨物列車の橋脚を使った街灯(?)右手奥には引き込み線がそのまま残されています。

しかし、廃墟マニアとかが泣いて喜びそうな場所ですね。

こちらは溶鉱炉(高炉?)の基部。リング上のものは空気だか水だかを送り込むための設備(説明聞いたんだけど忘れた)実際に使われていた本物なので迫力がすごいです。

地上40m、溶鉱炉のプラットホーム #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA

こちらは溶鉱炉のプラットフォーム(地上40m)、時差ぼけ寝不足で登ったので気分が悪くなりました。

新しい建物も面白いのですが、長くなってきたので、次回へ続く

2018/04/20

TRNSYSExperience

年に一度開催されるTRNSYSのカンファレンス、TRNSYSExperience参加のためルクセンブルク大学(University of Luxembourg)へ来ています。
【製鉄所の再開発だそうで溶鉱炉が残されている】

敷地が広くて会場がどこかわかりません。定刻通りたどり着けるか予断を許さない状況です。
現場からは以上です。

とかなんとか歩いてたら、無事に会場にたどり着きました。セーフ。