TRNSYSで作用温度を計算する

2020/02/17 解説動画を公開しました。この記事の最後にリンクを貼っておきます。

作用温度(Operative Temperature, OT)の計算方法についご紹介です。

作用温度とは?

温熱環境の評価指標の1つで、室内の気温の他、床、壁、天井の表面温度の影響を含めて室内環境が評価できます。

住宅などの温熱環境の評価指標として使われるケースが増えています。

詳しくは以下。

作用温度(さようおんど、英: operative temperature、OT)とは効果温度ともいい、人体に対する温熱環境を評価する指標のひとつである。気温が同じ室内であっても、壁面温度と周囲気流の状態により体感温度は違うことを加味し、周囲壁面との放射熱伝達と周囲気流との対流熱伝達と同じ量の熱交換を行なう様な均一温度の閉鎖空間での仮想気温が作用温度である。

Wikipediaより引用

TRNSYS/Type56で作用温度(以下、OT)を計算する方法をご紹介します。

上述したように作用温度の計算では壁表面からの放射の影響を含むため、同じ室内でも位置によって結果が変わります。窓際なのか、部屋の真ん中なのかで結果が変わってきます。

GeoPositionの指定

はじめにOTを計算する位置を指定します。TRNBuildを使って、OTを計算する位置をGeoPositionで設定します。

以下、基本操作ガイド(2室モデル演習)の建物でOTを計算した例です。

Zone ROOM1の窓際から1m間隔で4点指定しています。

OTを計算する位置をGeoPositionで指定
OTを計算する位置をGeoPositionで指定

設定方法は以下の通り。この手順を繰り返して、OTを計算したい場所を座標で指定します。

  1. zoneの項目で計算対象のZoneを選択
  2. typeで「comfort 」を選択
  3. GeoPositionの座標を指定する

trnViewBUIで表示すると、ROOM1の窓際からGeoPositionが4点並んでいるのが確認出来ます。

trnViewBUIでGeoPositionの位置を確認
trnViewBUIでGeoPositionの位置を確認

Comfort Typeの定義

TRNBuild Navigatorで「Comfort Types」を選んで右クリック、表示されたメニューから「Add Comfort」を選択して、新しいComfort typeを追加します。

設定画面が表示されるので、内容を確認したら「✔」をクリックして画面を閉じます。

この画面の設定項目では Relative air velocity(気流速)がOTの計算に影響します。(OTって基本的に暖房時の評価指標なので、気流速を変更したいケースって思い浮かばないんですが、どうなんでしょうか?)

次に、Zone ROOM1へ、作成したComfort TypeとGeoPositionを使ってOTの計算点を設定します。

  1. 「Comfort」をクリックしてComfortの設定画面を表示
  2. 表示された画面で「+」ボタンをクリック
  3. 先ほど作成したComfort Typeを選択する
  4. 「detailed model」を選択
  5. GeoPositionをリストから選択する。

この手順を繰り返して、すべてのOTの計算点を設定します。

Radiation Modesの設定

対象ZoneのRadiation modesをDetailedに変更します。

  1. 「Radiation modes」ボタンをクリック
  2. 表示された設定画面で「Detailed」を選択する(3箇所あります)
  3. 「✔」ボタンをクリックして画面を閉じる

OTの出力設定

GeoPositionの準備が済んだら、OutputへOTの出力を追加します。

  1. OTを計算するZoneを選択します。この例ではROOM1を選択する。
  2. Comfort outputsの項目を選択する。
  3. 出力項目からTOP(OT)を選択して追加。
  4. 「Additional Data」の項目(空白になっている部分)をダブルクリックしてComfort typeの設定画面を表示する。

画面右側のリストのComfort Typeをダブルクリックして追加します。(この例ではすべて追加します)

Online Plotter、Type65で出力

後はOnline Plotter等を使って、計算結果を出力します。図のTOP_C1~C4がOTの出力項目です。

下のグラフは東京、2月25日の出力例です。室温は暖房設定温度(21℃)まで上がりますが、OTは少し低めです。(線が重なっていますが、4点で少しずつOTに違いが出ています)

このグラフでは比較のために天井、床面の温度も表示しています。室内の表面温度の影響により、実際の室温よりもOTが低めの結果になっている事が見て取れます。

2月25日

次のグラフは逆にOTが室温よりも高くなっています。おそらく日射が原因だと思いますが、床面の温度が高いため室温以上にOTが高めに出ています。

2月22日

解説動画を公開しました。

動作環境

以下の環境で動作を確認しています。
Windows10 Pro(64bit, 1909)
TRNSYS18.02.0000(64bit)

Pocket

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です