TRNSYSで昼光利用シミュレーション(1)計算のしくみ

TRNSYS18から昼光利用シミュレーション機能が追加されています。この機能では、室内の照度に合わせて、照明負荷の調整を行います。

例えば、オフィスなどでは日中は昼光を利用して、照明を抑えた温熱環境のシミュレーションが可能です。積極的に昼光を利用した省エネ検討が行えます。

この仕組みの解説資料を作り始めたのですが、これがまた設定項目が多い。まずは概念図的なものを作成しました。計算がどのように処理されるか、その仕組みを説明します。

昼光利用シミュレーションの仕組み
昼光利用シミュレーションの仕組み

図のように内部的にはDaySim(Radiance)を使った昼光シミュレーションと温熱のシミュレーションの連成を行っています。

計算の流れをざっくり解説すると、

  1. 温熱シミュレーションで内部発熱、日射遮蔽(ブラインド)の条件を設定する。
  2. 日射遮蔽の条件に基づいて昼光シミュレーションで室内の照度を計算する。
  3. 室内照度から、照明負荷を調整(On/Off、もしくは調光)して温熱シミュレーションを行う。

そして再び 1. へ戻って計算を繰り返します。

この機能に関連して、照明負荷、日射遮蔽、そして昼光シミュレーションの設定項目が新たに追加されています。それぞれ詳細な設定があるのですが、それはまた別の機会という事で、つづく。

動作環境

以下の環境で動作を確認しています。
Windows10 Pro(64bit, 1803)
TRNSYS18.00.0019(64bit)

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2件のコメント

  • DAYSIMのホームページがしばらく休み中のようで、詳細についてこれ以上確認できていませんが、昼光関連の計算時に壁や天井、床などの反射率は考慮されているのでしょうか。

    • 反射率としての設定はありませんが、可視光の吸収率はConstruction type(Wall type)の日射吸収率と同じとて扱われます。

      5.2.4.1. Definition of a New (Opaque) Construction Type より
      For daylight simulation it is assumed that the visible light absorption is equal to the solar absorption.

2件のピンバック

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