TRNSYSで昼光利用シミュレーション(3)照明負荷の制御

TRNSYSの昼光利用シミュレーションでは、建物のモデル内にDaylight sensorを配置して照明負荷のOn/Offを制御します。

Daylight Sensorで照明負荷を制御する
Daylight Sensorで照明負荷を制御する

室内に配置されたDaylight Sensorの位置で計算された照度を元に照明負荷(Lighting Gain)を制御します。図では4点の平均照度で照明負荷のOn/Offを制御していますが、1つだけ配置して特定の位置の照度で制御する事も可能です。

照明負荷の制御はDaylight sensorの照度が一定以上であればOff、逆に一定以下になればOnです。例えば、500lux以上あればOff、300lux未満ならOnといった制御が行われます。

単純なOn/Off制御の他、照度によって負荷を調整する制御も用意されています。調光機能の付いた照明をイメージすると分かり易いと思います。

注:TRNSYSの昼光利用の計算は照明負荷(Lighting Gain)を制御する仕組みです。光源ではないため室内の照度へは影響しない点に注意してください。図のように照明機器が描かれていると、発光していそうですが発熱源としての扱いなので、照度には影響しません。

照明負荷の制御

日本語サプリメント添付の「昼光利用モデル」のサンプルを使って、照明負荷の動きを確認してみます。

サンプルモデル
サンプルモデル

このモデルの手前側の2室(ROOM1, ROOM2)で照明負荷の制御を行います。

ROOM1, ROOM2ともに日射遮蔽が無いので昼光の影響は同じです。この2つのZoneへ24時間点灯した状態の照明負荷(Lighting gain)を割り当てます。

ただし、ROOM2(真ん中のZone)についてはDaylight Sensorを使ってOn/Offの制御を行います。(図の赤枠部分のDaylight Sensorを使用します)

ROOM2の照明負荷を制御するDaylight Sensor
ROOM2の照明負荷を制御するDaylight Sensor

計算を実行すると図のような結果になります。青の線は全天日射量、オレンジはROOM1(制御なし)、そしてグレーの線がROOM2(On/Off制御あり)の負荷の状態です。

照明負荷のOn/Off制御の計算結果
照明負荷のOn/Off制御の計算結果

ROOM1の照明負荷(オレンジの線)はなにも制御していないので、ずっと同じ値のままです。 ROOM2の照明負荷(グレーの線)は全天日射の(青の線)の動きに合せてOn/Offしている事が分かります。日中、窓からの日射で室内の照度が上がるとOff、照度が下がるとOnへ切り替わっています。

さらによく見ると日によってOn/Offの時間帯が少しずつ違っています。例えば、1日目と2日目で比べると、明らかに2日目のOff状態が短くなっています。全天日射を見ると、2日目はかなり細長いグラフになっています。この日の日中は日射が少なく、室内の照度も低めだったことが窺えます。

簡単な例ですが、TRNSYSではこのように昼光の状態によって負荷を制御することができます。この例では設定していませんが、暖冷房負荷に影響が出るはずです。これに日射遮蔽(ブラインドなど)を組み合わせた、より複雑な計算も可能です。

おまけ

Daylight Sensorの位置で計算された結果は、Daylightフォルダの.illファイルに書き出されます。以下は、抜粋したデータですが各Daylight Sensorの照度が時系列で書き出されています。

後半の4行はDA、cDAなど、昼光の評価指標が書き出されています。

TIME                1       2       3       4
hours             lux     lux     lux     lux
7309            16439    5663    2178    1318
7310            40548    4666    2322    1718
7311            16088    2095    1641    1321
7312             2434    1574    1113     803
7313              552     289     182     133
7314                0       0       0       0
7315                0       0       0       0

8734                0       0       0       0
8735                0       0       0       0
8736                0       0       0       0

DA_300          77.47   74.49   71.14   65.74
CDA_300         78.81   77.34   75.32   73.17
UDI_100_2000    17.13   26.63   37.43   66.48
DF              13.10    5.04    2.67    1.70

動作環境

以下の環境で動作を確認しています。
Windows10 Pro(64bit, 1803)
TRNSYS18.01.0001(64bit)

Pocket

1件のピンバック

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です