気象庁から気象データを自動取得する

以前の記事 「TRNSYSの実測データの利用方法」 に関連して、気象庁が公開しているデータを自動取得するスクリプトを作成しました。
TRNSYSで実測データを使ってシミュレーションを行う際、気象庁のアメダスデータなどを手動で取得するのは手間が掛かります。今回公開したスクリプトでは、この作業をPythonで自動化しています。
JMA_DataScraper について
GitHubにて公開しています。以下のリンクからアクセスできます。
https://github.com/TRNSYSJP/JMA_DataScraper
このスクリプトは、気象庁が提供している「過去の気象データ」から、指定した観測地点・期間のデータを自動で取得し、TRNSYSなどで扱いやすい形式(CSV形式)に変換します。
主な機能
- 気象庁サイトからの自動データ取得(観測地点コード指定)
- 指定期間の一括ダウンロード(例:1年分)
- TRNSYS入力形式に整形したCSV出力
- Pythonスクリプト形式で自由にカスタマイズ可能
謝辞
このスクリプトはリンク先の記事を参考にスクレイピングとTRNSYS用に値の変換を行っています。
本スクリプトの公開にあたり、作成者の方から快くご許可をいただきました。この場を借りて深く感謝申し上げます。
使用方法
Python 3.x環境で動作します。主要なライブラリ(requests, pandasなど)が必要です。GitHubページのREADMEに実行方法を掲載しています。そちらを参考にセットアップを行って下さい。
GitHubアカウントがあれば、ソースコードの取得と仮想環境の構築、実行は以下のような手順です。(Git、Pythonは予め別途インストールが必要です)
git clone https://github.com/TRNSYSJP/JMA_DataScraper 
cd JMA_DataScraper 
python -m venv venv
venv\Scripts\activate
pip install -r requirements.txt
python get_amedas_progressbar.py --prec_no 44 --block_no 47662 --start 2000-01-01 --end 2000-01-31Githubアカウントが無くても、ファイルを直接ダウンロードできます。(下図、クリックで拡大表示されます)
出力されたCSVファイルはExcelで扱える一般的な形式です。簡単な編集でTRNSYSのWeather Data Readerで読み込むことが可能です。
TRNSYSによる建物・設備シミュレーションでは、標準的な気象データ(例えば拡張アメダス気象データやTMYデータ)が利用できます。加えて、実際の観測データを使うことでより現実に近いシミュレーションが可能になります。
まとめ
- 気象庁データを自動で取得・整形できるスクリプトを公開
- TRNSYSの実測シミュレーションに活用可能
- 詳細・ソースコードはGitHub(JMA_DataScraper)をご参照ください。
動作環境
以下の環境で動作を確認しています。
Windows11 Pro(64bit, 24H2)
Python 3.13.7


