TRNSYS最適化ツールTrnOpt

シミュレーションでは気象データや建物、機器などの条件を設定して、そこから計算された結果を検討します。通常はいくつか条件があるので、それらを組み合わせて検討することになります。

時には目標を決めて、それに近い結果が出る条件の組み合わせを探りたいケースもあります。そんなときに便利なのが最適化ツールです。

最適化ツールは複数の条件と目的関数を使って、最適化アルゴリズムに基づいて最適な条件を導き出します。

今回はTESS Libsオプションの一部として提供される最適化ツール、TrnOptの使い方をご紹介します。

TrnOpt

TrnOptはLawrence Berkeley National Laboratory(LBNL)が開発したGenOptとTRNSYSのインターフェースです。TrnOptではGenOptを使って最適な条件の組み合わせを探し出します。

TrnOpt,GenOptと名前が似ていて紛らわしいですが、別のものなので注意してください。TrnOptはTRNSYSのモデルに最適化の条件設定を行うツールです。GenOptは汎用の最適化ツールで、TrnOptから呼び出されて計算を実行します。

下の図はTrnOptに添付するプロジェクトの例です。(赤い丸のコンポーネントがTrnOpt)

多数室モデルのサンプルもウィンスコンシン大学の公式サイトで公開されています。開口部の高さと庇の長さを最適化する例になっています。

Using GenOpt with TRNSYS 16 and Type 56

すこし前のバージョン用ですが参考になると思います。

条件設定

この例では、以下の条件をパラメーターにして最適化を行います。

  • 集熱器の傾斜角
  • 集熱面積
  • 貯湯タンク容量

TrnOptでは下の図のように条件をEquationで定義した変数で扱います。変数をチェックして、値の初期値や範囲の指定を行います。

集熱器の傾斜角度、集熱面積、タンク容量の変数を指定する

目的関数

目的関数はライフサイクルコスト(集熱器、タンクの価格と20年分に使用する水と電力の費用)として、この値が最小化の最適化を行います。(要するに20年間のコストが一番安い組み合わせを探し出します)

ライフサイクルコストを目的関数の指定する

最適化アルゴリズム

GenOptには複数の最適化アルゴリズムが用意されいます。その中から使用するアルゴリズムを選択します。(アルゴリズムによって、最適なパラメーターの組み合わせを効率的に探し出してくれます)

最適化アルゴリズムを選択する

設定が済んだら、次はいよいよ最適化の開始です。指定された条件、目的関数を使ってGenOptがTRNSYSの自動実行を開始します。

自動的に計算が繰り返されるので、あとは結果が出るまでコーヒーでも飲んで待ちます。

GenOpt

下の図はGenOptの実行画面です。TrnOptからGenOptが起動され計算が繰り返し実行されます。計算が進むにつれて、チャートが延びていきます。

チャートの縦軸は各パラメーターの値、横軸は時間です。計算の開始直後には大きかったパラメーターの振れ幅が計算が進むに従って徐々に一定の値に安定する様子が窺えます。

最終的に目的関数(この例ではライフサイクルコスト)が最小になる組み合わせが見つかると処理を終了します。

単純にパラメーターの組み合わせを総当たりで計算しても同じ事ができますが、最適化ツールを使うと時間も労力も節約して効率的に進めることができます。

動作環境

以下の環境で動作を確認しています。
Windows10 Pro(64bit, 20H2)
TRNSYS18.02.0002(64bit)

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