作ってみようTRNSYSコンポーネント(3) ソースコードの生成

さて、前回までにプロフォルマまで出来上がったので、今回はソースコードの書き出しです。

Simulation Stuidoにはプロフォルマで設定された内容から、ソースコードを書きだしてくれる便利なコマンドがあります。これを使ってソースコードのスケルトン(雛形)の書き出しを行います。

また、書きだされたソースコードをビルド(コンパイル、リンク)するためのプロジェクト設定もあわせて行います。

ソースコードの生成

メニューから[File]-[Export as]-[Fortran]の順で選択します。

[File]-[Export as]-[Fortran]
[File]-[Export as]-[Fortran]

保存先は、基本的にどこでもOKですが、個人的にはコンパイラ関係の例が収められている”C:\Trnsys17\Compilers\”フォルダがオススメです。このフォルダに分かりやすいように”My Components”というフォルダを作って保存します。

保存先: C:\Trnsys17\Compilers\My Components

ファイル名:Type201.for

ファイルが保存されるとメッセージが表示されます。保存先などの情報を確認したら「OK」をクリックします。

保存先の情報
保存先の情報

  つづけて以下のメッセージが表示されます。これはSimulation Stuidoが書き出すプロジェクトファイル形式が、以前のバージョンの形式に対応のため更新を促すメッセージです。

ここは素直に「はい」をクリックして次へ進みます。

プロジェクトを変換して開くかの確認
プロジェクトを変換して開くかの確認

変換が終わるとVisual Fortran Composer XE 2011が起動します。(見た目はというか、Visual Studioと同じShellを使っているので、画面はまったく同じになります)

Visual Studioの起動画面
Visual Studioの起動画面

プロジェクトの設定

プロジェクトの変換作業を行います。Simulation Stuidoが書き出したFORTRANのソースコードはCompaq Visual Fortran(以下CVF)形式になっています。

今回使用するIntel Visual Fortran Composer XE 2011に合わせて変換する必要があります。

プロジェクトの変換

ソリューションエクスプローラーでプロジェクト(Type201lib)を選んで、右クリックで表示されるメニューから「COMPAQ Visual Fortran プロジェクト項目の抽出」を選択します。

「COMPAQ Visual Fortran プロジェクト項目の抽出」を選択

「COMPAQ Visual Fortran プロジェクト項目の抽出」を選択

ここで変換対象のファイルを聞いてきます。先ほどエクスポートしたプロジェクトファイル「Type201.dsp」を選択して「OK」ボタンをクリックします。

「Type201.dsp」を選択して「OK」ボタンをクリック
「Type201.dsp」を選択して「OK」ボタンをクリック

コンパイラの設定

つづけてコンパイラ関係の設定です。

メニューから[プロジェクト]-[プロパティ]で選択されるダイアログで「構成」で「すべての構成」を選択してFORTRANコンパイラの設定を行います。赤枠内の項目を設定します。

データ

「データ」のローカル変数
「データ」のローカル変数

2017/06/27追記 

Intel Parallel Studio XE2017ではデータの項目が以下のように変更されている

「データ」のローカル変数
「データ」のローカル変数

浮動小数点

「浮動小数点」
「浮動小数点」

外部プロシージャ

「外部プロシージャ」
「外部プロシージャ」

2013/2/8追記

Debug/Release設定

Debug/Releseモードでは参照するインクルードファイル、Objファイルの参照先が変わります。

以下、Debugモードを例に説明しています。Releaseモードでも再度、同様の設定を行なって下さい。

インクルードファイル

「追加のインクルードファイル」
「追加のインクルードファイル」

Fortranの「追加のインクルード・ディレクトリ」のパスを開発環境に合わせて書き換えます。以下はDebugモードの例です。Releaseモードでは対応するフォルダに読み替えて下さい。

  • Intel Fortran

C:\Trnsys17\Compilers\IvfCXE2011\TRNDll\Debug

  • Compaq Visual Fortran

C:\Trnsys17\Compilers\Cvf66\TRNDll\Debug

リンカーの設定

リンカーの「追加のインクルード・ディレクトリ」のパスを開発環境に合わせて書き換えます。

追加のライブラリー・ディレクトリ
追加のライブラリー・ディレクトリ

以下はDebugモードの例です。Releaseモードでは対応するフォルダに読み替えて下さい。

  • Intel Fortran

C:\Trnsys17\Compilers\IvfCXE2011\TRNDll\Debug

  • Compaq Visual Fortran

C:\Trnsys17\Compilers\Cvf66\TRNDll\Debug

以上でコンパイラの準備は完了です。

ビルド

とりあえずビルドできるか試してみます。

メニューから[ビルド]-[ソリューションのビルド]を選択してビルドします。ここでソリューションの保存先を聞いてくるので、コンポーネントと同じフォルダを指定します。

ソリューションの保存先
ソリューションの保存先

ビルドがエラーなく終わったらひとまず終了です。

次回はソースコードの編集です。

つづく。


関連記事

(1) 準備編
(2) プロフォルマ
(3) ソースコードの生成
(4) ソースコードの編集
(5) Simulation Studioで実行
(6) デバッグしてみる
補足 FORTRANの環境設定

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