作ってみようTRNSYSコンポーネント(6) デバッグしてみる
作ってみようTRNSYSコンポーネントシリーズのおまけです。
コンポーネントの作成といっても、これはいわゆるプログラミングです。プログラミングといえば欠かせないのはデバッグ作業。という事で新しく作ったコンポーネントをデバッグしてみましょう。
コンポーネントをデバッグする場合、TRNSYS側もデバッグモードでビルドされている必要があります。具体的にはTRNDLL.DLLがデバッグモードじゃないとデバッグができません。
で、どうするかですが、幸いにもTRNSYSには、はじめからTRNDLL.DLLをビルドするためのソリューションが用意されています。これを使ってデバッグの準備をします。
TRNDLL.DLLのソリューションを開く
Intel Visual Fortran Composer XE 2011を起動して、以下のソリューションを開きます。
C:\Trnsys17\Compilers\IvfCXE2011\IvfCXE2011.sln
VS2008用なのでVS2010を使われている場合、開くと変換ウィザードが立ち上がります。ここは素直に「次へ」を選択して変換を行います。
![](https://i0.wp.com/www.kankyoukei.com/wp-content/uploads/2019/04/eed5ca3f49f4bcf0725779c3b38a98d2.png?resize=320%2C315&ssl=1)
コンポーネントのプロジェクトを追加する
ソリューションが無事に開けたら、新しく作成したコンポーネントのプロジェクトを追加します。ソリューションエクスプローラーで「IvfCXE2011」を選んで右ボタンクリックで表示されるメニューから[追加]-[既存のプロジェクト]の順で選択します。
![](https://i0.wp.com/www.kankyoukei.com/wp-content/uploads/2019/04/4491bf651cacce3bdc0b5de099ba2a3b.png?resize=320%2C199&ssl=1)
ここで前回までに作成したコンポーネントのプロジェクトを指定します。
![](https://i0.wp.com/www.kankyoukei.com/wp-content/uploads/2019/04/f5768c60fe82a167e39c8fe9bc53f01c.png?resize=320%2C200&ssl=1)
これで新しいコンポーネントとTRNDll.DLLをまとめてビルド出来るようになりました。
プロジェクトの設定を変更する
プロジェクトに追加されたら、右ボタンクリックで表示されるメニューから[スタートアッププロジェクトに設定]を選択します。
![](https://i0.wp.com/www.kankyoukei.com/wp-content/uploads/2019/04/0aebfa380d10e9c266187dcc289469e9.png?resize=311%2C320&ssl=1)
さらに右ボタンクリックで表示されるメニューから[プロパティ]を選んで、デバッグの設定を行います。
下の図のように実行用の指定を行います。
「コマンド」の項目にはTRNSYSを実行するためのTRNexe.exeを指定します。
「コマンド引数」の項目は、新しいコンポーネントを実行するためのDckファイルを指定します。ここでは「(5) Simulation Studioで実行」で作成したプロジェクトの*.dckファイルを指定します。
![](https://i0.wp.com/www.kankyoukei.com/wp-content/uploads/2019/04/cd032330a95efff836f16fe0f20ad1e5.png?resize=320%2C229&ssl=1)
デバッグモードで実行する
[ビルド]-[構成マネージャー]を選んで、表示されるダイアログで「アクティブソリューション構成」の項目を[Debug]にしてビルドします。
デバッグの状態を確認するため、出力値を設定している行にブレークポイントを設定します。
![](https://i0.wp.com/www.kankyoukei.com/wp-content/uploads/2019/04/335f9eaff505bbfa72c5299ea2c84867.png?resize=320%2C221&ssl=1)
で、実行してみます。ここでいきなり警告メッセージが表示されます。これはTRNEXE.exeがデバッグモードでビルドされていないのが原因です。ここは警告を無視して「はい」を選んで続行します。
![](https://i0.wp.com/www.kankyoukei.com/wp-content/uploads/2019/04/93ad0788b0c0ff1fb26b271529f3a60f.png?resize=320%2C114&ssl=1)
TRNSYSが起動して、ブレークポイントでプログラムの実行が一時停止したら、変数の内容が適切な値になっているか確認します。以下の図のような内容であればOKです。
![](https://i0.wp.com/www.kankyoukei.com/wp-content/uploads/2019/04/086064863fe37ea5d37821d990ebfe19.png?resize=320%2C181&ssl=1)
これで何か問題があってもデバッグモードで処理内容を確認することができます。
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