TRNFlowのはじめかた(2)

以前に投稿した「TRNFlowのはじめかた」の補足です。

TRNFlowの計算では風向、風速に関連して設定項目がいくつか用意されています。気象データリーダーから供給される風向、風速のデータは観測地点のデータです。通常、建物建設地とは異なります。

観測地点が建物建設地に近い場合はそれほど影響ありませんが、山間地で標高が違っているケースでは補正が必要になることが考えられます。建設地に近い場合も、建物自体が高層になると風の影響が変わってくることが十分考えられます。

TRNFlowは観測地点と建物建設地の条件から風速を計算します。大まかには次のような計算を行います。(詳しくはTRNFlowマニュアルを参照)

  1. 観測地点の風速、風速プロファイルから境界層上空の風速を計算
  2. 観測地点、建物位置の境界層上空の風速は同じと仮定
  3. 境界層上空の風速と建物近傍の風速プロファイルから軒高の風速を計算

ということで、設定方法を見ていきましょう。

観測地点、建物建設地の条件設定

TRNFlowでは観測地点、建物建設地れぞれの標高と高さ、周辺環境で値を計算します。設定としては、次のような項目が用意されています。

  • 観測地点の標高、風速計の高さ、周辺環境
  • 建設地の標高、軒高、周辺環境

観測地点の標高、風速計の高さ、周辺環境

Type56のParameterタブで設定します。(図の赤枠部分)

Type56-TRNFlow Parameter

Height of meteo pylon

観測地点の風速計の高さ。拡張AMeDASであれば添付のドキュメント(StnInfo.dat)に記載されています。以下、東京(地点番号363)を例に説明します。

StnInfo.datを開くと、地点毎に1行にデータがまとまっています。風速計高さの単位は0.1mで表記されているのに注意してください。

この例では745mではなくて、74.5mです。かなり高い場所に風向計が設置されていますが、これは建物の屋上ですかね?

拡張AMeDAS2000年版、StnInfo.datより

Altitude of meteo station above sea level

観測地点の標高。こちらの単位はmです。この例では標高6mという事になります。

Velocity profile exponent at the weather station

観測地点の風向プロファイル。地表面の状態に応じたαを指定します。値についてはTRNFlowマニュアルの

「Table 3 1 : Roughness classes and their wind velocity profile exponents」を参照してください。

東京の観測地点は千代田区なので、「City centre(0.35-0.45)」から、高めの値が妥当でしょうかね?

建設地の標高、軒高、周辺環境

Type56のParameterタブ、TRNBuildの2箇所で設定します。

まずはType56のParameterタブ。

Altitude of building

建物建設地の標高。建設地の標高を調べて入力します。簡単な方法としてはGoogle Earthで建設地を検索すると右下に標高が表示されるので、この値を使います。

Google Earthで目黒区某所のオフィスを検索

次はTRNBuildで軒高と周辺環境の設定です。

まずはExternal Node Managerの画面を表示します。

TRNBuild, External Node Manager, reference height of Cp-values

reference height of Cp-values

Cpのための高さ情報。ちょと分りにくい名称ですが、いわゆる「軒高」です。建物の高さに合わせて軒高を入力します。

最後は建物建設地の周辺環境の設定です。TRNFlowの画面で設定を行います。

Wind velocity profile

建物建設地の風向プロファイル。風向ごとに値を設定します。

以上で観測地点、建物建設地の設定は完了です。観測地点と建設地点が離れている場合には、影響が大きくなると考えられるので、設定するようにしてください。

動作環境

以下の環境で動作を確認しています。

  • Windows11 Pro(64bit, 21H2)
  • TRNSYS18.04.0000(64bit)
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