拡張アメダスの地点情報を国土地理院の地図にマップしてみた

国土地理院の「地理院地図」がCSVに対応したというので試してみました。

拡張アメダスの地点情報を表示する

拡張アメダスには地点情報のCSVが添付します。これをちょっと加工して緯度経度のリストを作ってみます。

地点情報の緯度、経度は「度」「分」が別々のセルに分かれているので、実数に変換したセルを用意してCSVへ保存します。(lng,latのカラムが経度、緯度)

地点情報のファイルを加工して経度(lng),緯度(lat)のカラムを追加
地点情報のファイルを加工して経度(lng),緯度(lat)のカラムを追加

このCSVを地図へドロップすると、自動的にlng,latのカラムを読み取って確認画面が表示されます。

lnt, lngカラムを判定して確認画面が表示される
lnt, lngカラムを判定して確認画面が表示される

確認のボタンをクリックすると緯度、経度を元に地点がプロットされます。

地点が地図上にプロットされる
地点が地図上にプロットされる

地図を拡大して、地点をクリックするとCSVに含まれていた、その他の項目がポップアップ表示されます。

CSVに含まれている地点番号や標高がポップアップされる
CSVに含まれている地点番号や標高がポップアップされる

今回は緯度経度を使いましたが、住所も対応しているようです。CSVデータの確認用に良さそうです。

TRNBuildの設定項目の訳語を考える

3月に入り、年度末の慌ただしさも落ち着いてきました。少し時間的に余裕もでてきたので、TRNSYSのチュートリアルの和訳作業を再開しています。

今回は、その和訳作業中のチュートリアルからTRNBuildの設定項目のお話です。

TRNBuildの設定項目

下の図は Heating type で set temperature(暖房設定温度) を設定している画面です。T設定でよく見かける画面ですが、TRNBuildには値の指定方法としてConstant value(固定値)、Input(外部からの入力値)、Schedule(スケジュール)の3種類が用意されています。

この3種類の指定は設定温度に限らず、TRNBuildでは頻繁に登場します。

TRNBuild、 Heating typeの設定画面
TRNBuild、 Heating typeの設定画面

下の図は暖房設定温度をInputで設定している画面ですが、さて、ここで問題です。図の矢印の部分はなんと呼ぶでしょう?

TRNBuildのInput
TRNBuildのInput

TRNBuildのInputは一次関数

残念ながらTRNSYSのドキュメントでは特に呼び名は明記されていません。でも、よく見るとInputは y=ax+b のような一次関数になっています。

素直に名前を付けると、それぞれ「傾き」と「切片」です。

傾きと切片?
傾きと切片?

これをドキュメントの説明文で使うとなにかしっくりきません。(数学の教科書風になってしまって日本語として変な感じになります)

ちなみに原文ではmultiplier、additive valueとか multiplication factor, addition factorと表記が安定していません。

しばし悩みましたが、日本語はそれぞれ係数加算値という表現にまとめました。

係数と加算値
係数と加算値

この訳を決めるのに約半日。なかなか作業が進みません。なるべく分かり易い日本語にすべく奮闘中です。

つづく。

TRNSYSで昼光利用シミュレーション(2)Daysim,RadianceとTRNSYS

TRNSYS18の新機能、昼光利用シミュレーションでは、室内照度から照明負荷を制御、温熱環境のシミュレーションが行えます。昼光利用シミュレーションでは、Daysimを使用して室内照度の計算を行っています。

今回は、このDaysimについて掘り下げてみたいと思います。

Daysimとは?

光環境のソフトウェアとしては定番のRadianceをベースに作成された解析ソフトウェアです。

DAYSIM is a validated, RADIANCE-based daylighting analysis software that models the annual amount of daylight in and around buildings.

https://daysim.ning.com/ より引用

訳)DAYSIMは、建物内および建物周辺の年間日照量をモデル化した、検証済みのRADIANCEベースの昼光解析ソフトウェアです。

開発は、Christoph Reinhart氏を中心として、複数の組織で行われています。

The overall development of DAYSIM has been coordinated by Christoph Reinhart since 1998. The global illumination calculation in DAYSIM is based on the RADIANCE backward raytracer. Past and ongoing development work for DAYSIM has been conducted at

・Fraunhofer Institute for Solar Energy Systems (ISE)
・Harvard University
・Massachusetts Institute of Technology (MIT)
・National Research Council (NRC) Canada

https://daysim.ning.com/page/credits より引用

訳)DAYSIMの開発は、1998年以来Christoph Reinhartによってコーディネートされています。DAYSIMのグローバルイルミネーション計算は、RADIANCEのレイトレーサーに基づいています。DAYSIMの過去および現在進行中の開発作業は、以下の組織、団体で行われています。

そうそうたる開発体制です。ここに登場するChristoph Reinhart氏ですが、おそらくMITのこの方です。(間違っていたらすみません)

MIT
Christoph Reinhart

Radianceとは?

Daysimが使用しているRadianceは米国ローレンスバークレー研究所で開発された、レイトレーシング (ray tracing, 光線追跡法) のソフトウェアです。上述したように光環境の定番ツールです。

Radianceの詳しい情報は以下のリンク先を参照。

ローレンスバークレーのRaianceのサイト

Daysimとの関係は図のようなイメージのようです。Daysimの昼光解析はRadianceの機能によって実現されています。

DaysimはRadianceの機能を使って実装されている
DaysimはRadianceの機能を使って実装されている

Radianeceは、それ単独でも使用できるアプリケーションです。コマンドラインで詳細なオプションを指定して計算を行うことが可能です。

Daysimは、このRadianceの機能を使って、昼光解析を行っています。

TRNSYSのドキュメントでは、どちらも前置きなしに登場します。少々分かりにくい記述になっていますが、TRNSYS(というかType56/TRNBuild)からは、このDaysimを使って計算を行っています。

TRNSYSとDaysim

DaysimとTRNSYSは、図に示すような関係です。温熱と昼光の計算を相互にやり取りしながら処理を行います。

TRNSYS、Daysimで相互に計算処理
TRNSYS、Daysimで相互に計算処理

詳しくは前回の記事を参照。

動作環境

以下の環境で動作を確認しています。
Windows10 Pro(64bit, 1803)
TRNSYS18.01.0001(64bit)

TRNSYSとMatlab

TRNSYSにはMatlabと連携するType155が用意されています。下の図はサンプルのモデルですが、太陽熱集熱パネルの計算にMatlabを使用しています。

"C:\TRNSYS18\Examples\Calling_Matlab\Calling Matlab.TPF" より
“C:\TRNSYS18\Examples\Calling_Matlab\Calling Matlab.TPF” より

Type155について

Matlabを使用する場合、TRNSYSとMatlabのバージョンの組み合わせごとに専用のType155が必要です。

さらに、どちらも32bit, 64bitの2種類があります。こちらもTRNSYS, Matlabで種類を合せる必要があります。

TRNSYS17は32bitアプリケーションのため、連携するMatlabも32bit版が対象になっています。TRNSYS18は64bitアプリケーションなので連携するMatlabも64bit版が対象になります。

32bit,64bitの組み合わせを簡単にまとめると次の表のようになります。

バージョンMatlab
TRNSYS17(32bit)Matlab 32bit版
TRNSYS18(64bit)Matlab 64bit版

Matlabのバージョン

Matlabって半年間隔で新しバージョンがリリースされます。下の表はここ数年のリリースです。この表には2018年以降が記載されていませんが、たぶんリリースされています。(気になる方は販売店へ問い合わせてみて下さい)

Matlabのバージョン
Matlabのバージョン(Wikipediaより引用 https://ja.wikipedia.org/wiki/MATLAB)

TRNSYSと連携する場合、それぞれのバージョンに対応した専用のType155が必要になります。バージョンの他、上述したように32bit/64bitの違いもあるので注意が必要です。

例えば、TRNSYS18とMatlab R2016bを組み合わせて使用する場合、Matlabも64bit版、Type155もR2016b対応の64bit版が必要です。

組み合わせが多いため、もしType155を使用される場合はサポートまでお問い合わせ下さい。おそらく適切なType155を個別対応でご提供することになります。

TESS LibraryのTRNSYS18対応について

TRNSYS18がリリースされてしばらく経ちますが、TESS Library(以下、TESS Lib)についての情報です。

TESS LibはTRNSYS17, 18で機能的には同じです。計算内容に変更はありません。

ただし、TRNSYS17からTRNSYS18へのバージョンアップで64bit化されています。このため、以前にTRNSYS17用として購入されたTESS Lib(32bit版)は、TRNSYS18では動作しません。

TRNSYSのバージョンとTESS Libの組み合わせは以下のようになります。

バージョンTESS lib
TRNSYS1732bit版
TRNSYS1864bit版

TESS Lib 64bit版の提供について

TRNSYS17用に購入されたTESS Libをお持ちであれば、TRNSYS18対応の64bit版は無償提供の対象になります。

通常、TRNSYS18のバージョンアップをお届けする際に、すでにTESS Libをお持ちのお客様へは、64bit版TESS Libを同梱しています。(もし、届いていなかったらサポートの窓口まで連絡下さい)