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2012/12/17

TRNSYS(2) TRNSYSの仕組み

TRNSYSは、前回でも触れたように汎用の計算ツールです。特定の計算だけではなく、目的に応じた計算が行えるようになっています。
その仕組がどうなっているのか、今回はまとめてみたいと思います。

モジュラーアプローチ


さまざまな計算に対応するため、TRNSYSではモジュラーアプローチと呼ばれる仕組みを採用しています。

これ何かというと、特定の目的に合わせた計算ではなく、シミュレーションに必要な機能を基本的な計算機能や、機器のレベルまで分解したものをモジュール、あるいはコンポーネントと呼ばれる部品で提供します。一つ一つは、例えばシンプルな単位換算機能であったり、空気線図を扱うものであったり、あるいは設備機器を表します。
また、このモジュールは、あまり中身を気にせずに使用できるようにBlack Box化されています。
【一つ一つは汎用機能】

モジュールは入力(Inputs)として、なにかデータを入れてあげれば、出力(Outputs)として答えが返ってきます。このInputs/Outputsをつなぎあわせてデータ流れ、つながりを記述してシミュレーションを組み立てていきます。

【「つなげて」シミュレーション】

かなりオープン?

ところで、この「Black Box」という呼び方ですが、プレゼンの資料には出てくるのですが、ドキュメントには一切出て来ません。説明の都合上「Black Box」という呼び方をしているようですが、これ日本語的には、あまりいい意味ではないですよね?なんというか、裏で何をしているのか分からないような、ネガティブな印象を受けます。
特に研究用途では計算内容がBlack Boxだというのは、あまり好ましい印象ではありません。

本当にBlack Boxかというと、実際にはTRNSYSに添付するドキュメントには、すべての計算内容が記載されています。ソースコードまでも製品に添付されます。(一部、商用ライセンス部分が省略されています)

ドキュメント、ソースコードの両方で公開されていますので、けっしてBlack boxではありません。
これ、かなり研究用途では便利で、ソースコードレベルで処理を調べたり、場合によっては改良することができます。

その一方で、さまざまなモジュールが無秩序に提供されるのを避けるため、インターフェースは統一されています。上の図でInputs,Outputsと書いているのがそれです。様々な機能を簡単に扱えるようになっています。詳細までは気にすることなく、シミュレーションのモデルを構築できるようになっており、そういう意味で説明用にBlack Boxという言い方をしているようです。

このモジュラーアプローチですが、割りと汎用ツールでは一般的に使われている手法です。例えば、EnergyPlusやEESLISMも同じように部品つなげてシミュレーションを組み立てていくようです。

下の図は太陽熱集熱器のモデルの例です。並べられたアイコンの一つ一つがモジュールになります。そのコンポーネントをつなぐ矢印線、これがコンポーネント間のデータの流れを表しています。

例)太陽熱集熱器モデル

見た感じで、真ん中にあるのは集熱器だな、とか、その横にあるのはヒーターだな、とか、構成される機器と、データの流れが見て取れます。モジュラーアプローチでは、このようにモジュール/コンポーネントをならべて組み立て行きます。

次回は、実際にコンポーネントを並べて計算を実行するまでのながれを具体的に見ていきたいと思います。

つづく。



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