TRNSYSで除湿設定

TRNSYSの温熱シミュレーションでは冷房、暖房を条件として設定する事が出来ます。関連して除湿、加湿も条件として設定できますが、一般的に多いのはやっぱり除湿かな?あまり加湿の条件を設定した憶えがないですが、ここで1つ注意点があります。

暖房、冷房と加湿、除湿は独立制御

暖房と冷房、加湿と除湿はそれぞれ独立した制御です。冷房と除湿を行う場合は個別に条件設定が必要になります。

具体的な設定例で見ていきましょう。例えば、9:00-15:00で設定温度28度、除湿60%の条件で下図のようにCooling typeを設定したとします。

間欠冷房 9:00-15:00
間欠冷房 9:00-15:00

これを実行してQSENS(顕熱負荷)、QLATD(潜熱負荷)を出力すると図のような結果になります。

間欠冷房9:00-15:00の実行結果
間欠冷房9:00-15:00の実行結果

これは夏期の3日分の計算結果を抜き出したものですが、顕熱負荷はスケジュールに従って毎日9:00-15:00で発生しています。ところが潜熱負荷を見ると3日間を通して断続的に発生していることが分かります。

Cooling typeの設定では冷房も除湿も同じ画面で設定できるため、一見、同じ制御のように思えますが、それぞれ独立した制御です。この例では除湿の条件は固定値で24h連続運転になっています。このように冷房、除湿は独立して扱える訳ですが、でも、エアコンをイメージすると連動して欲しいですよね?

冷房と除湿を連動

そんなわけで、エアコンのように冷房、除湿の運転スケジュールを連動する方法を考えてみました。

運転状態に合せて除湿

冷房中は除湿も行うものとして、冷房の運転状態を判定して除湿を行います。冷房中かどうかはQSENS(顕熱負荷)の値で判定することができます。この値を使って除湿のOn/Offの切り替えを行います。判定はEquationでQSENS>0の条件なら除湿もOnとして処理します。

Type56とEquation(Dehum)は図のように接続します。Type56の値をEquationで処理して再びType56へ戻すため相互に接続している点に注意してください。(このループ状の接続って見慣れないと気持ち悪いんですが、ちゃんと収束計算されますから大丈夫です)

Type56, Equationの接続
Type56, Equationの接続

Equationの設定は下の図のようにQSENSの値を使って除湿の判定を行います。単純に値が0より大きければ運転中として除湿も運転と判定します。QSENSが発生していればCooling_onに1が、それ以外では0が設定されます。

QSENSの値から除湿のOn/Off判定
QSENSの値から除湿のOn/Off判定

Type56のCooling Typeでは、このEquationの値を受け取って除湿を制御します。Type56のInputに新しくDehum_Onを追加して、 Equationの Cooling_on を受け取ります。下の図のような式で処理して除湿状態を制御します。

InputでEquationの値を受け取って除湿の設定湿度を制御する
InputでEquationの値を受け取って除湿の設定湿度を制御する

この指定も慣れないと奇妙に見えますが、この式でDehum_Onの値が1であれば「60」が、それ以外では「100」になります。それぞれ設定湿度60%100%という意味です。設定湿度100%は実質的に除湿の処理は発生しませんから、結果的に除湿「なし」の状態になります。

Cooling typeの設定画面は図のようになります。

除湿の設定
除湿の設定

さて、これで計算を実行すると。。。今度は顕熱、潜熱負荷が同時に発生する結果になります。9:00-15:00以外で発生していた潜熱負荷がなくなります。

顕熱負荷と潜熱負荷が同時に発生する
顕熱負荷と潜熱負荷が同時に発生する

スケジュールで制御する

上記の方式では運転状態を顕熱負荷で判定しています。この制御では室温が冷房設定温度以下では除湿が働きません。たとえ室内が高湿でも28℃未満であれば除湿されないことになります。実際に除湿だけつかうケースというのはそれほどないとは思いますが、でも除湿機を使うようなケースはあるかな?、その場合は別の方法を考える必要があります。で、考えてみました。

顕熱負荷の代わりに冷房と同じスケジュールを割り当てて除湿のOn/Offを行います。除湿設定を図のように変更します。EquationからのInputに代えて、Scheduleで冷房と同じスケジュールを選択します。

Scheduleで除湿の設定湿度を制御する
Scheduleで除湿の設定湿度を制御する

Cooling typeの設定画面は図のような状態になります。

Cooling Typeの設定画面
Cooling Typeの設定画面

そして計算を実行すると。。。、先ほどとあまり変わらないような結果に見えます。でも良く見ると、1日目の午前中に潜熱負荷(除湿)のみ発生している時間帯があります。この時間帯は室温が28℃未満で冷房は働いていませんが、湿度は高い状態のため除湿が発生している状態です。

午前中は除湿のみ発生している
午前中は除湿のみ発生している

まとめ

このようにCooling typeの設定では冷房、除湿を個別に制御する事が出来ます。ちょっと分かりにくいですが、これによって複雑な条件も設定する事ができます。Heating typeで暖房、加湿の条件を設定する場合も同様です。

動作環境

以下の環境で動作を確認しています。
Windows10 Pro(64bit, 1803)
TRNSYS18.01.0001(64bit)

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