TRNSYSで床暖房シミュレーション

ここ数日、急に気温が下がってきて寒くなってきました。(そろそろコタツが恋しい)

さて、今回は床暖房機能のご紹介です。

床暖房を扱う機能がTRNSYSにはいくつか用意されています。Type56の機能として組み込まれているものと、専用コンポーネントとしてTESS Libに用意されている物の2種類があります。

  • Type56 Active layer
  • Type653 Simple Floor Heating System(TESS Libs)
  • Type993 Detailed Radiant Floor(TESS Libs)

Type56 Active layer

Type56のConstruction type/Layerとして床暖房を扱います。通常、Layerは断熱材や木材、コンクリートなどの材料を設定します。Active Layerでは床暖で使用する温水の温度や流量、パイプの配置条件など、いわゆる温水式の床暖房を扱います。

Layerとして扱うので、床に限らず壁や天井などにも設定できます。この記事のタイトルは「床暖房」としていますが、水温は任意に設定できるので放射(輻射)冷房としても設定できます。

詳しくはドキュメント
Vol.05 Multizone Building Modeling with Type56 and TRNBuild,
5.2.4.5.1. DEFINITION OF A CONSTRUCTION WITH AN ACTIVE LAYERを参照。

Type653 Simple Floor Heating System(TESS Ground Coupling Library)

シンプルな床暖房、冷房システムのコンポーネント。基本的に土間床を想定らしくType56から床面のQCOMO(室内から室外への熱の移動)の値を受け取って、Boundary Conditionとして戻しています。つまり、隣に部屋がある壁に設定することはできません。

サンプルも用意されているので、すでにTESS Libをお持ちの方は、以下のフォルダが参考になります。

C:\TRNSYS18\Tess Models\Examples\Ground Coupling Library\Simple Radiant Floor Example\Type653_Example_v2a.tpf

Type993 Detailed Radiant Floor(TESS Ground Coupling Library)

このモデルでは、床スラブ内の配管とスラブの熱伝導を3次元有限差分法で解析して、床下スラブ表面温度を算出します。建物との熱相互作用を反復的に解くことで、床面温度と熱流を高精度に評価することが可能です。

こちらもサンプルが用意されています。

C:\TRNSYS18\Tess Models\Examples\Ground Coupling Library\Detailed Radiant Floor Example\Type993_Example_v2a.tpf

関連資料

複数の計算機能があると、どれを使ったら良いか分らなくなります。なにか資料がないか探していたら比較している論文を見つけました。リンクを貼っておきます。

Comparison Of Three Transient Models For Slab Heating/Cooling Systems

動作環境

以下の環境で動作を確認しています。

  • Windows11 Pro(64bit, 24H2)
  • TRNSYS18.06.0002(64bit)
  • TESS Libraries 18
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