TRNSYSの窓データを自作する

TRNSYSの窓データ

TRNSYSの多数室モデル(TRNBuild/Type56)では、詳細な仕様を設定して窓のモデルを作成できます。

窓は使われているガラスの種類や厚み、複層、トリプルなどの構成、アルゴンなど封入されるガスの種類、アルミや樹脂などフレームと細かな条件の固まりです。

設定項目が多いため、一口に窓のデータと言っても作成は非常に手間が掛かる作業です。

なお、窓の性能としてカタログなどに記載されているU値はこれら条件の組み合わせとして計算されます。(直接U値を指定できると簡単なんですが、光学特性とか細かい条件を指定できる仕組みのため、指定条件の結果として計算されます)

シミュレーションで住宅などで一般的に使われる窓についてはTRNSYS18用のライブラリ(株式会社クアトロ作成)を準備中です。準備が整い次第公開の予定ですが、お急ぎであればサポートまでお問い合わせください。(TRNSYS17用はすでにGithubで公開中です)

窓データの作成方法

窓データは Berkeley lab WINDOW 7.x を使って作成します。(名前がWindows7に似ていて紛らわしいですが、窓の熱特性を計算するツールです)

大まかな流れとしては、

  1. WINDOW 7 で窓の構成データを作成
  2. WINDOW 7から窓の構成データをエクスポート
  3. TRNBuildへインポート

といった順序で作業します。詳しい作成手順については以下に紹介するドキュメントを参考になります。

TRNSYSのドキュメント

TRNSYS18.02からチュートリアルに窓作成の解説が追加されています。具体的には以下の章にまとめられています。

9.6. Adding New Glazing Systems to the Type56 Window Library

関連情報、ツール、その他

Complex Glazing Systemsオプション(旧Complex Fenestration System)

一般的な窓の他、さらに複雑な窓を作成するオプションも用意されています。

複層ガラスにブラインドやスクリーンを入れた複雑な窓を検討したいケースもあると思います。そういった場合にはComplex Glazing Systemsオプションが有効です。主な機能を載せておきます。

  • 異なるガス混合物を含む6層までの定義
  • ブラインドやスクリーンなど遮光層
  • IR透過層のモデリング
  • 遮光層周りの自然対流
  • ギャップ(中間層)の機械換気
  • いわゆる「双方向散乱分布関数」(BSDF)に基づく光学モデル
  • ISO 15099, 2003の比較的複雑なモデルに基づくグレージングシステムとシェーディング要素を表す熱モデル。

※注:熱の計算に使用する窓のオプションです。名前や機能から光環境のオプションのようにも見えますが、光環境には影響しません。

Transsolar社のAdd-Onsのページで、SearchでComplex Glazing Systemsで検索で表示されます。

ADDING NEW WINDOWS TO TYPE 56

ウィンスコンシン大学、SEL(TRNSYSの開発元)のサイトで公開されている資料。
http://sel.me.wisc.edu/trnsys/downloads/tutorials_and_examples/window5/windowtutorial.pdf

Berkeley WINDOW

Lawrence Berkeley National Laboratory(Berkeley Lab, LBNL)のサイトからダウンロード、入手可能です。

Berkeley lab WINDOW 7.x

関連書籍

「ESP-rとRadianceによる建築環境シミュレーション入門」オーム社出版局
TRNSYSとは直接関係しませんが、WINDOWの操作説明が記載されています。

動作環境

以下の環境で動作を確認しています。
Windows10 Pro(64bit, 1909)
TRNSYS18.02.0000(64bit)

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