そして年間スケジュール

前回は平日と休日でスケジュールを分けて設定しました。今回は年間スケジュールの解説です。

年間スケジュール

住宅のモデルでは年間スケジュールはあまり想定しませんが、学校や商業施設などでは季節による変動を条件にする事があります。例えば、学校の教室では夏休み、冬休みなど生徒、学生が不在の期間を設定したいケースがあります。

TRNSYS18では、GainのスケジュールにScale 1,2の2つを設定できるようになっています。通常のスケジュールではScale 1を使って日単位、週単位の設定を行います。

下の図は前回、平日、休日を設定した例ですが、Scale 1を使って週間のスケジュールを設定しています。Scale 2はデフォルトのままですので、これを使って年関スケジュールを設定します。

平日と休日の週間スケジュール
平日と休日の週間スケジュール

年間スケジュールを作成する

2つのScaleは、それぞれの値を乗じたスケジュールとして扱われます。平日と休日のスケジュールはそのままで、Scale 2へ夏休み、冬休みの不在期間を1,0の値で定義します。

  1. 「schedule type」の項目を School_Holidays へ変更します。
  2. annual」の項目をクリックして年間スケジュールへ変更します。
  3. 夏休み、冬休みの期間を0へ、それ以外を1に設定して年間の在室状態のスケジュールを定義します。
 夏休み、冬休みの期間は不在なので(0)を設定する
夏休み、冬休みの期間は不在なので(0)を設定する

年間スケジュールを割り当てる

作成した年間スケジュールをscale 2へを割り当てます。これで週間スケジュール×年間スケジュールとして扱われます。年間スケジュールでは夏休み、冬休みの期間は(0)が設定されています。この期間は週間スケジュール×(0)、つまり在室者がいない状態として計算されます。

scale 2へ作成した年間スケジュールを割り当てる
scale 2へ作成した年間スケジュールを割り当てる

下の図は確認のため、在室者の顕熱負荷(QGPEOPLE, Ntype154)をプロットした画面です。夏休み、冬休みの期間は在室者の顕熱負荷がなくなっているが確認できます。

1年分出力すると、夏休み、冬休みの顕熱負荷が消えている
1年分出力すると、夏休み、冬休みの顕熱負荷が消えている

このようにScale 1, 2を組み合わせる事で、季節変動のある条件も扱うことが可能になります。

動作環境

以下の環境で動作を確認しています。
Windows10 Pro(64bit, 1803)
TRNSYS18.01.0001(64bit)

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