TRNSYS、週間スケジュールの作り方
TRNSYSで時系列のスケジュールを作るにはいくつか方法があります。
多数室モデル(Type56)については、以前にTRNBuildで週間スケジュールの作り方をご紹介していますが、これは多数室モデル専用です。
今回はコンポーネントの組み合わせで暖冷房機器や給湯モデルなど、汎用的に使える週間スケジュールの作り方のご紹介です。(もちろんType56と組み合わせて使うことも可能です)
日単位スケジュール
日単位のスケジュールなど、時間で変化する条件の定義は、一般的にType14 Forcing Functionが使用されます。ツールバーの場所は、Utility、Forceing Functions フォルダです。
Type14はGeneral(汎用)、Internal Gains(内部発熱)、Lighting(照明)など、用途に応じて複数のバージョンが用意されています。
どれも共通で一定の時間で繰り返すスケジュール、日単位や年間の特定の期間、例えば暖冷房期間などを定義するのに使われます。
まずは、このコンポーネントを使って平日と週末、平日と土曜、日曜日の3パターンなど、曜日で分けたいスケジュールを用意します。(詳しくは以下のリンク先)
週間スケジュール
各曜日へ日単位のスケジュールの割当ては、Type41 Forcing Function Sequencerで行います。ツールバーの場所は、Utility、Forceing Functions Sequences フォルダです。
このコンポーネントは一週間の各曜日に日単位のスケジュールを割当てる事ができます。これを使ってシミュレーションの対象に合せて曜日ごとのスケジュールを設定します。
設定例
Type14, Type41を使用した例がExamples(”C:\TRNSYS18\Examples\HVACTemplates\System1.tpf”)に用意されているので、これを使って解説します。
この例では在室者のスケジュールを平日、土曜日、日曜日の3パターンで定義しています。(図の赤枠の部分)
平日、土曜日、日曜日のスケジュール
この例で設定されているのは以下の日単位のスケジュールです。左から平日、土曜日、日曜日の順です。値がかなり小さいように思えますが、これは単位面積あたりの在室者人数で定義しているためです。(計算時には部屋の面積に応じて換算されています)
週間スケジュール
曜日ごとのスケジュールついては、この例ではType41c Unique Days of the Weekが使われています。このコンポーネントは曜日ごとのスケジュールをInputとして用意しいます。
下の図は平日(月曜~金曜)のスケジュールとType41の接続です。同じ平日スケジュールからFirst day(月曜)~Fifth day(金曜)のInputへ接続されています。
土曜日、日曜日のスケジュールも同様で、それぞれSixth day(土曜)、Seventh day(日曜)へ接続されています。
これで曜日ごとに異なる日単位のスケジュールを一週間分まとめた定義になります。計算時にはType41がタイムステップに応じて、それぞれの日単位のスケジュールから適切な値を出力します。
まとめ
Type14とType41を組み合わせると曜日ごとのスケジュールを提議することができます。設定の流れをまとめると以下の手順です。
- 日単位のスケジュールを定義する。
- 各曜日へ日単位のスケジュールを割り当てる。
- 他のコンポーネントへ供給する(例:Type56へ在室者人数として引き渡す)
動作環境
以下の環境で動作を確認しています。
- Windows11 Pro(64bit, 23H2)
- TRNSYS18.06.0002(64bit)