TRNSYSで拡張アメダス2010年版を使う(0.1.3)

2020/08/31 相対湿度の計算で標高の影響と気温が氷点下になる場合の影響が大きかったため計算方法を見直しています。

拡張アメダス(拡張AMeDAS、EA気象データ)気象データ2010年版をType99AMeDAS用に変換するツールを作成しました。

TRNSYSに用意されている気象データリーダー、Type99AMeDASは1995年版、2000年版の拡張アメダス気象データに対応しています。2010年版については今のところ非対応です。

簡易的なものですが、先日公開したPythonパッケージを使って変換ツールを作成しました。実行形式(.exe)に変換してあるので、Pythonの環境不要で使用できます。

タイトルにあるように今のところ細かなチェックが終わっていないBeta版です。ざっと動作は確認していますが、変な値が出力されているようでしたら、サポートまでご連絡ください。

使い方

ダウンロードと解凍

まず、GitHubのリポジトリ(リンク先)から、conv_type99.zip をダウンロードして解凍します。

https://github.com/TRNSYSJP/weapy/release

コマンドプロンプトからプログラムを起動

スタートメニューから「Windows システムツール」、「コマンドプロンプト」の順で選択して、コマンドプロンプトを表示します。

コマンドプロンプトから以下の形式で拡張アメダスのファイル名、地点名、地点番号、緯度、経度、標高を指定して起動します。

conv_type99.exe weafile station no latitude longitude elevation

weafile 拡張アメダス気象データ標準年のデータファイル
station 地点名(英語表記)
no 地点番号(1~842)
latitude 緯度[deg]
longitude 経度(東経 -、西経 +)[deg]
elevation 標高[m]

例)東京(地点番号 363)、緯度 35.69、 経度 -139.76、標高6m

conv_type99.exe D:\EAD\RWY0110.wea Tokyo 363 35.69 -139.76 6.0

この例ではC:\utils というフォルダを用意して、解凍したプログラム(conv_type99.exe)を置いています。

コマンドプロンプトからプログラムを実行

拡張アメダスから変換されたType99形式のファイルは、同じフォルダに”ea_” + 地点番号 + 地点名 +”.99″ という名前で出力されます。

例)ea_363_Tokyo.99

注意:エラーが発生したら
OSの環境によっては、この例のように C:\utils フォルダでプログラムを実行するとエラーが発生することがあります。

原因としてフォルダに書き込み権限が無い事が考えられます。フォルダの書き込み権限を変更するか、書き込み可能なフォルダ(たぶん「ドキュメント」フォルダならOK)でプログラムを実行してください。

地点番号、緯度、経度、標高を調べる

地点の情報は拡張アメダスの資料に記載されていますが、Type99AMeDASのプラグインで簡単に確認することができます。(図の赤枠の部分)

Type99AMeDASのプラグインの画面

経度

経度については、東経はマイナス(-)で指定する点に注意して下さい。プラグインに表示されている値をそのまま入力すると西経になってしまいます。

上の図では経度139.76と表示されていますが、コマンドラインでは -139.76と指定して下さい。

標高

拡張アメダスのDVDに収録されている”cd_drive:\EAD\StnHist.csv“で標高を確認して指定してください。

Type99AMeDASの設定

Type99形式のファイルができたら、あとは「External Files」タブの「Weather data file」の項目でファイルを指定します。

注意点としては、この後プラグインを起動すると、ファイルが上書きされます。ファイル名を指定したら、プラグインは使用しないでください。うっかりプラグインを起動してしまったら、再度ファイルを指定してください。

以上です。

動作環境

以下の環境で動作を確認しています。
Windows10 Pro(64bit, 2004)
TRNSYS18.02.0002(64bit)

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